第104回 強みは半分説明して隙を作り、半分突っ込ませて理解させる

検討してもらうため、コンペで勝つため一生懸命に会社や商品をアピール。でも、理解してもらえない、聞き流されてしまう。そんな強みは全部理解させないといけないと思い込み、全部説明している営業が多い……。これが大きな間違いです。強みは、説明でなく考えさせて理解させるもの。今回はお客さんに強みや優位性を理解させる方法についてご紹介します。

強みは半分説明して隙を作り、半分突っ込ませて理解させる

商品の機能や技術力、サポート体制、会社の実績や人材力……。営業では強みや優位性など、お客さんに理解してもらいたいことがたくさんあります。

しかし、一生懸命に説明しアピールしてもなかなか理解してもらえない。

皆さんは会社や商品の強みをどのように説明(アピール)していますか?
アピール(自慢)の方法についてプライベートの会話から考えてみましょう。

プライベートシーンでのアピール

ある日、Aさんは友人のBさんと飲みに行きました。
Bさんが中小企業診断士の資格試験に合格したのでお祝いに……。

久しぶりだったので、少しお互いの近況を話した後、
Aさん
「中小企業診断士の資格って難しいんだろ。1回で合格するなんてすごいな」

Bさん
「そうなんだよ、難しかったよ」
「司法試験ほどではないけど国家資格の中ではけっこう難しい資格なんだ」
「司法試験がSランク、あと司法書士とかがAランクで、中小企業診断士はBランクだけど、社労士と同レベルだから」
「俺が勉強を始めたのは今年の2月ぐらいだったから10カ月で受かったんだ。一般的に2年から3年かけて合格する人が多い中でかなり頑張ったよ」
「今年の2月に参考書を一気に買って始めたんだけど、7科目もあるんだよ。経済学、財務・会計、企業経営理論……、いやー、大変だった」
「しかも、ただの10カ月じゃなくて学校も通わないで独学で10カ月での合格だから。学校に通いながら受験する人が多い中で珍しい方だと思うよ」
「それに昨年からのコロナ禍で将来に不安を抱えている人が増えて、今年は受験者数も多かったみたい。例年だと合格率が5%ぐらいらしいけど、今年はさらに低かったと思うよ」
「俺、大学のときから試験は強かったからな。試験前の集中力は他の人と比べても高いみたいで」
「大学の試験前の勉強でもいつも……」

Aさん
「……、そうなんだ……、すごいね」

Bさんは、自分の思いつく限りの自慢を一気に説明しています。
皆さんが友人からBさんのように自慢されたらどう思いますか?

おそらく聞くのが面倒に思う、またはうざったいと思う、あるいは半分聞いていない、聞き流す……のではないでしょうか。

営業シーンでのアピール

では、営業のときのお客さんへの商品のアピール(自慢)はいかがでしょうか?

例えば、店内に設置するカメラで人の行動や顔を撮影して、防犯センターで監視できるシステムをアピールするとき。

カメラとシステムの構成を説明した後で……

  • 他社製品と比べて画像の精度が高く、人の表情まで検知できる。
  • 録画時間が長いので一定期間の画像を保存し、後で確認できる。
  • 同時に多数のカメラを設置し、防災センターで一元管理できる。
  • 他社製品と比較した画像精度や録画時間のデータ。
  • 人の表情でストレスや緊張を計測でき、犯罪を起こしそうな人を事前に検知し対応できる。
  • 大手○○社のソフトウェアを導入しているためトラブルが少なく、仮にトラブルが起こってもすぐにサポートできる。
  • 実績としては、小売業、サービス業を中心に100社以上に導入されていて、導入先も大手企業が多い。

……など

といったように一気に全部説明しようとしている営業が多い。
Bさんの中小企業診断士の自慢のように……。

自慢するときは一般的に、

「司法試験ほどではないけど国家資格の中ではけっこう難しい資格なんだ」とだけ言って、
「社労士と比べるとどうなの?」と突っ込ませてから
「同じレベルなので国家資格の中ではけっこう難しい方なんだ」
と話して、難しい資格試験に合格したことを理解させようとしています。

また、相手に
「1回で合格する人は少ないんじゃない? 普通2年~3年ぐらいかかるでしょう」と突っ込ませてから
「そうなんだ。しかも学校に通わず独学で1回で合格する人は少ないみたい」
と一年間の独学で合格するすごさを理解させようとしています。

一部を説明して相手に突っ込ませて、さらに説明、そして突っ込ませて、また説明。

一気に説明すると相手は、

  • 全部を表面的にしか理解できない。
  • 一方的な長い説明は聞いていて疲れる、集中できない。

また、一気に説明すると、

  • 相手の反応が分からない。
  • 相手の興味のある部分とない部分が分からない。
  • 相手の興味に合わせた説明ができない。

人は他人から聞くより、自分で考えたことの方が深く理解するのです。
そのため、説明するだけでなく、相手に考えさせることが大切です。

つまり、強みを理解してもらうためにはお客さんに考えさせ突っ込ませることが大切です。

しかし、営業では、

  • 強みは全部説明しないといけないと思っている。
  • 考えさせることを忘れて説明に終始してしまう。

そのため、一気に全部説明し、ちゃんと聞いてもらえないし、うざったいと思われてしまう。

アピールポイントを理解してもらうには

お客さんに強みを理解してもらいたいのであれば、説明して理解させるより、考えさせて理解させることを心がけましょう。
そのためには、全部説明するのではなく「半分説明、半分突っ込ませる」です。

仮に突っ込んでもらえなかったら、後で説明すればよいのです。お客さんとの商談の時間の中ではいくらでも説明するチャンスがあるのですから。
「すみません、先ほど言い忘れたのですが……」と後で説明するチャンスはいくらでもあります。

大切なことは、全部説明しない、半分だけ説明して、お客さんに考えさせ突っ込ませる“隙”を作ることです。

半分説明、半分突っ込ませる強みのアピール方法は……
「営業のアドバイス」個人・法人会員サービス

次回は1月17日(月)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
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