第80回 組織図は顧客の課題を考えるもの

皆さんは、顧客のホームページで組織図を見たときに何を考えていますか? 営業担当者の多くが体制そのものや顧客担当者の所属、決裁者や決裁ルートをチェックして終わっています。そのため、戦略を考えられない、提案のチャンスを逃している……。組織図には顧客の経営課題や戦略が表れます。今回は組織図から顧客の課題を考える営業についてお話しします。

組織図は顧客の課題を考えるもの

皆さんは、顧客のホームページで組織図を見たときに、何をチェックし、何を考えていますか?

とある会社の組織変更例

インターネット広告社の営業担当Aさんが、4月に期が変わりお客さんのホームページを見てみると、ニュースリリースに組織変更についての記事がありました。

前期の本部構成は、
製造事業本部、流通事業本部、金融事業本部。

そして、各本部の下に、
第1営業部、第2営業部、第1技術部、第2技術部、事業推進部。

この組織図が次のように変わっていました。

本部構成が、
営業本部、技術本部と二つの本部に変更。

営業本部の下に、
製造事業営業部、流通事業営業部、金融事業営業部、事業推進部。

技術本部の下に、
第1技術部、第2技術部。

Aさんがお客さんの製造事業営業部長と面談して組織変更について聞いてみると、
「組織が変わったからバタバタしているけど、今までとミッションは変わらないからそんなに影響ないですよ」

そして、会社に戻りAさんは上司に報告。
「組織変更について聞いてみたんですけれど、ミッションは変わらないし特に影響ないみたいです」
「ただ、今は組織変更でバタバタしているようなので、落ち着くまで訪問しない方がよさそうです」

上司
「そうなんだ。3カ月後の7月ぐらいには落ち着いていると思うから、その時に訪問するように」

本当に影響ないのでしょうか?
3カ月後の7月の訪問で大丈夫でしょうか?

ここで考えてみてください。
「何のために組織を変更したのでしょうか?」
「組織変更によって何が変わるのでしょうか?」

組織図が意味するもの

組織体制は、経営課題や戦略に合わせて形作られるものです。
経営層や管理職層が会社や組織の課題を考え、その課題に対し戦略や対策を考え、そしてその戦略や対策に合わせて組織の在り方を考え決めていくのです。

そのため、経営課題や戦略、対策は組織図に表れるのです。

つまり、

組織図は、経営課題や戦略、対策を考えるのもの。
組織変更は、経営課題や戦略、対策の変化を意味するもの。

本ケースから読み取れる経営課題・戦略

上のケースでは、どのような経営課題や戦略、対策の変更があったのでしょうか?

この組織変更から、営業または技術、あるいは両方の機能の専門性を強化しなければならないという経営課題があり、営業、技術、それぞれの専門性や連携を強化するための戦略や対策を進めていることが考えられます。

  • 営業部間のノウハウや情報共有の強化
  • マーケット単位に進めていたプロモーションを商品やサービス単位で促進

そして、営業と技術の本部が分かれたため新たな課題が発生し、何らか対策を考えているかもしれません。

  • 営業と技術の間の連携が取りにくくなるため、会議やミーティングの改善
  • 営業と技術の間で情報共有がしにくくなるため、情報管理や共有の仕組みの改善

また、各本部内にあった事業推進部が、営業本部内に統合される形で置かれています。
事業推進部はどのように変わったのでしょうか?

営業と技術の連携の課題に対して営業本部内に事業推進部が置かれているとすれば、営業の専門性を強化しながら営業本部主体で事業を進めようとしている可能性があります。
つまり、営業の立場が強くなり、営業が技術に合わせるのではなく、技術が営業に合わせて対応しようとしているかもしれません。

また、マーケット別に進めていたプロモーションを商品やサービス単位で進めるために、事業推進部が統括しプロモーションを見直しているのかもしれません。

Aさんは、3カ月後の7月に訪問しようとしていますが……

もし、「プロモーションを商品やサービス単位で進めるために、事業推進部が見直しているかもしれない」と考えて、すぐに訪問し製造事業営業部長から事業推進部の紹介をもらうことができれば、インターネット広告の提案ができるかもしれません。

しかし、「ミッションは変わらないし影響はない。組織変更でバタバタしている」と思い7月に訪問したら、プロモーションの企画が固まってしまい提案のチャンスを逃してしまうかもしれません。

組織図を見たときに気にすることとは

組織変更があったときにはその影響を少しは気にしている人もいますが、営業担当者の多くが顧客のホームページで組織図を見たときに、体制そのもの、顧客担当者の所属、決裁者や決裁ルートをチェックして終わっています。

顧客の経営課題や戦略、そして各現場の課題や対策を知ることは、営業戦略を考えるために必要なことです。

組織図を見たら、
体制そのもの、顧客担当者の所属、決裁者や決裁ルートをチェックするだけでなく、経営課題や戦略、各現場の課題や対策を想像しましょう。

「マーケット別体制、機能別体制」……組織体制の傾向と組織図から顧客の課題を考える方法は……、
「営業のアドバイス」個人・法人会員サービス

次回は1月20日(月)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
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