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第71回 戦略営業は顧客の課題から考える
「うちの営業は戦略を考えられない、アカウントプランを作ってもやろうとしない」と悩んでいる経営者や営業責任者が多い。顧客の組織や予算、競合を調べても考えられない、一生懸命に戦略を考えても表面的、アプローチしてみたら状況が変わって実践できない……。営業の戦略は顧客の課題から考えるものです。今回は戦略を考える方法についてご紹介します。
戦略営業は顧客の課題から考える
最近、戦略営業という言葉を耳にする機会が増えてきました。
多くの企業で、場当たり的な営業、商品を紹介して回る営業ではなく、ターゲット顧客の組織や予算、競合などを分析し戦略を考え進めようという営業が増えてきています。
顧客から受注を獲得する戦略や計画(アカウントプラン)を作っているという人も増えていることでしょう。
しかし、
「うちの営業は戦略を考えられない、アカウントプランを作ってもやろうとしない」
と悩んでいる経営者や営業責任者が多い……。
実際に、営業担当者が作ったアカウントプランを見てみると……
- 商品の市場動向やニーズ、競合商品を調べ
- 競合商品との比較から強み、弱みを整理し
- 顧客のPLやBS、経営課題や戦略を調べ
- 顧客の組織図を調べ、人脈図を作成し
- 3C分析、SWOT分析を作成
そして……
- 売りたい商品を考え
- 売るための計画を作成
その売るための計画を見てみると……
5月:担当者へ商品紹介
6月:担当者に現場の状況とニーズについてヒアリング
7月:担当者から上長の紹介をもらい提案
8月:現場や利用者との調整
9月:価格、条件交渉
10月:受注
とても現実的な計画とは思えない……。
はじめに調べた競合比較、顧客の経営課題や組織、3C分析やSWOT分析とは関係なく、単純な営業プロセスが並んでいるだけ……このとおり進むわけはない。
はじめの商品紹介のときに「価格が高い」と言われたら終わってしまう……。
どのようなニーズをどのようにヒアリングするかという方法がない……はたして本当にヒアリングできるのだろうか?
上長の紹介をもらう方法や価格交渉の方法がなくて実践できるのだろうか?
戦略を考え実践しても、断られる、ヒアリングできない、上長の紹介をもらえない、価格交渉できない……。
その結果、時間をかけて戦略や計画を作成しても意味がない……。
できない、やらないのであれば、戦略など考えずにその時間を営業活動に費やした方が良いのではと思うことが多々あります。
なぜ、戦略を考えることができないのでしょうか?
戦略営業ではじめに考えなくてはならないことは顧客の課題です。
課題が分からないのに……
売上や利益、財務諸表を見て、投資余力ばかり考えたり、組織図を見て関係者のつながりや力関係、予算を持っている部門を考え、戦略を考えたりしようとしているケースが多く見受けられます。
戦略や計画の前に、営業とは
売りたい商品は何なのか、顧客にどのような課題があるのか、そしてその課題に対してどのような提案ができるのか……があってはじめて成り立つ仕事です。
そして、戦略営業は、この課題や提案と、顧客の状況、顧客の決裁者や関係者の意識、予算や競合の状況を比較して考えるものです。
顧客の課題が分かると、課題と顧客の方針や戦略を比較して……
「顧客の中で課題に関する重要度は?」「予算をとってもらえるのか?」「提案をどのように変えたら予算をとってもらえるのか?」を考えることができるのです。
顧客の課題や提案が分からずに戦略営業は考えられないのです。
いくら、売上や利益、財務諸表を調べても……
いくら、組織や関係者の力関係を把握しても……
いくら、競合を把握しても……
顧客の課題が分からなければ受注を獲得する戦略は考えられないのです。
今日の営業では、顧客の戦略が変化し複雑化し、また組織内での決裁ルートや方法も複雑化しています。
業績がよくても、優先順位を考えながら投資し、予算を簡単にとってもらえなくなっています。
この状況で、単純に商品を紹介したり、提案する営業、また顧客に予算がないと言われてから対応したりという場当たり的な営業では受注しにくくなっています。
売上を上げるために、顧客を分析し、どうしたら受注を獲得できるかという戦略は重要です。
しかし、戦略を考えられる営業は少ない……。
その原因の多くは、顧客の課題が分からずに戦略を考えようとしていることです。
戦略営業を進めるためには、はじめに顧客の課題を考える力を身につけましょう。
「戦略営業」考える方法は……
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次回は4月15日(月)更新予定です。
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