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第46回 「なぜ? なぜ?」による指導……対策や指導には原因追及が必要
「なぜ? なぜ?」は大切と分かっていても部下が嫌がる、また、話が回ってしまい原因追及にならない……。今回は営業の原因追及に必要な「なぜ? なぜ?」のPOINTをご紹介します。
「なぜ? なぜ?」による指導……対策や指導には原因追及が必要
ある営業会議でのマネージャーAさんと営業担当Bさんの会話です。
営業担当Bさん
「今月は受注をとれませんでした」
マネージャーAさん
「なぜ?」
営業担当Bさん
「期待していた〇社が失注になってしまったからです」
マネージャーAさん
「なぜ?」
営業担当Bさん
「大丈夫だって言われていたんですが、予算をとれないみたいです」
マネージャーAさん
「大丈夫って言われていたのに、なぜ?」
営業担当Bさん
「新規事業が伸びなくて業績が良くないので予算をとれないようです」
マネージャーAさん
「前回の商談では大丈夫って言われていたのに、なぜ?」
営業担当Bさん
「〇社の部長に予算をとれないと言われたみたいで」
マネージャーAさん
「なぜ?」
営業担当Bさん
「業績が良くないみたいで」
マネージャーAさん
「なぜ?」
営業担当Bさん
「新規事業が伸びていないみたいで」
マネージャーAさん
「じゃあ、どうするんだ? 先月も受注をとれていないのに」
営業担当Bさん
「他の顧客にあたります」
マネージャーAさん
「しょうかないなあ、来月は他の顧客にあたってちゃんと受注とれよ」
営業会議を見ているとこのようなシーンが多い……
ここで、AさんとBさんのやりとりの問題点をいくつか考えてみてください。
このやりとりには問題点が3つあります。
1つ目
はじめは、「今月の受注がとれなかった」ことの原因追及だったはずが、後半は「〇社が予算をとれなかった」ことの原因追及になっています。
2つ目
「新規事業が伸びなくて業績が良くないので予算をとれない」ことの原因を追及していたのに、後半でまた、「業績が良くないみたいで」「新規事業が伸びていないみたいで」と話が回っていて進んでいません。
3つ目
原因が分からないまま対策を指示しています。受注をとれなかった原因が分からないのに「他の顧客にあたります」という対策で来月に受注をとれるのでしょうか?
ただ、このケースはまだ良い方だと思います。
Aさんは「なぜ? なぜ?」を繰り返し原因追及しようとしていますが、一般的には前述の「大丈夫だって言われていたんですが、予算をとれないみたいです」ぐらいで、原因が分からないまま「どうするんだ」「他の顧客にあたれ」と対策の話に入ってしまっているケースの方が多いのです。
また「なぜ? なぜ?」は部下に嫌がられる、モチベーションが下がるという理由で、原因追及しないケースも多いのです。
営業という仕事は、計画どおりにいかない仕事です。売上を上げるためには計画どおりにいかないときに適切な対策をたてることが大切で、その対策には原因の把握が必要です。
そのため上司が部下に指導するときも、営業担当者が自分で対策を考えるときも「なぜ? なぜ?」が必要です。
では、どうしたら「なぜ? なぜ?」をきちんと行えるのでしょうか?
営業における「なぜ? なぜ?」には以下4つの傾向があります。
- 「なぜ? なぜ?」を繰り返しているときにずれた回答をすると、そのずれた回答に対し「なぜ? なぜ?」を進めてしまうため目的からそれやすい。
- 「なぜ? なぜ?」を繰り返し何度も何度も考えていると、思考が混乱しやすい、迷走しやすい。
- 経験で仕事を覚えてきた営業は主観的な先入観を持ってしまい、データや情報から客観的な判断ができず純粋に原因追及しにくい。
- なぜ? なぜ?」は相手にとって、詰められている、非難されているという感覚になってしまう。
「なぜ? なぜ?」をきちんと行い原因追及するためには、この4つの傾向を踏まえて行わなければなりません。
営業の対策は「受注をとれなかった」「失注になった」「見込み顧客がない」という事実からは考えられません。
その事実に対して「なぜ? なぜ?」により導き出される原因から考えられるのです。
営業の対策や指導には「なぜ? なぜ?」が必要です。
そして、原因が明確になると対策も明確になります。対策が明確になる(するべきことが明確になる)と営業成果を上げられるだけでなく、不安が解消しモチベーションも上がるのです。
詳細や改善方法は……
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次回は3月21日(火)更新予定です。
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