第108回 お客さんの課題はメリットや他社の事例でなく原因から理解させる

一生懸命に商品のメリットも他社の事例も説明している……しかしお客さんが課題を理解してくれない。結局「ニーズなし」で営業終了。課題を理解させるものはメリットや事例ではなく、その原因です。今回は、社内で上司に課題を理解させるシーンと営業活動とを比較しながら商談や提案で課題やニーズを理解させる方法についてお話しします。

お客さんの課題はメリットや他社の事例でなく原因から理解させる

「課題があるはずだし、うちの商品が必要なはずなのに理解してもらえない」
お客さんとの商談で悩んでいる人が多いのでは……。

営業部なら、
外出やテレワークでマネージャーと部下とのコミュニケーションに課題があるはずだ。

人事部なら、
社員のモチベーションを上げ、成長させるための評価方法に課題があるはずだ。

製造業なら、
品質管理を徹底するために作業員が確認するだけでなく、自動で不良品を検知する仕組みが必要なはずだ。

でも理解してもらえない。
「今は必要ない」

課題はどうやって理解させるのか?

課題はどうやって理解させるのか?

自分の会社の上司に課題を理解させる方法について考えてみましょう。
営業活動のお客さんに対してではなく、自分の会社の上司に理解させるシーンです。

外出先からお客さんや上司に電話することが多くて毎月の電話代が高い。
なんとかしてほしい……。

シーン1.社内でこんな説得しませんよね?

「スマートフォンを会社として購入し、営業に配布する必要がある」という課題について、Aさんが営業部長にお願いしていました。

Aさん
「スマホを会社で購入して配布してもらえませんか?」

営業部長
「なんで?」

Aさん
「この間、家電量販店に行ったら、ちょうどいいスマホがあったんです」
「薄くて軽いスマホで荷物が多くてもじゃまにならないし、スマホならメールやカレンダーも確認できるからノートパソコンを持ち歩かなくてもいいし」
「便利だからスマホを買って配布してくださいよ」

営業部長
「必要なら考えるけど、なくても大丈夫だろう」

Aさん
「でも、他社も配布していますよ」
「同業のIT企業で働いている友人が多いんですが、みんな会社支給のスマホ持っていますよ」
「営業は外出が多いからお客さんや上司との連絡にスマホが必要だって言っていました」
「お客さんとのコミュニケーションが増えて関係も良くなるし、それに社内での相談もしやすくなるみたいなので配布してくださいよ」

みなさんはこのようにお願いしますか?
上司に課題を理解させて、スマートフォンを買ってもらおうとする時に。

このようにお願いすると、おそらく営業部長は……
「薄くて軽いスマホでもうちには必要ない」「他社は他社、当社は当社」

では、営業活動でお客さんに課題を理解させようとする時、みなさんはどうしていますか?

シーン2.営業でこんな説得していませんか?

ある日、営業担当Bさんがお客さんに「スマートフォンが必要」という課題を理解させようとしていました。

お客さんに一通り商品を説明するとお客さんは、
「うちは営業社員からスマホを配布してほしいという要望が出ていないから問題ない」

営業担当Bさん
「そうなんですか」
「うちのスマートフォンは他のスマートフォンと比較しても薄くて軽いんです」
「だから外出が多い営業社員にとっては荷物が多くてもじゃまになりませんし、メールやカレンダーも確認できるからノートパソコンを持ち歩かなくてもよくなりますよ」

お客さん
「必要なら考えるけど、営業部からの要望もないし」

営業担当Bさん
「御社の同業のIT企業様では営業にスマートフォンを支給している会社が多いですよ」
「私の取引先のセントカンパニー様では、営業社員にスマートフォンを配布したらお客さんとのコミュニケーションも増えて関係が良くなっているようですし、それに社内での相談もやりやすくなったみたいです」
「御社ではいかがですか?」

お客さんに課題を理解させようとする時、このように話している営業担当者が非常に多い……。

社内で通用しないと分かっているのに営業ではやっている

社内ではやらないAさんのパターンと、営業でやってしまっているBさんのパターンとを比べてみましょう。

AさんとBさんは全く同じパターンで課題を理解させようとしています。

「スマートフォンを会社として購入し営業に配布する必要がある」
この課題を理解させるために……

Aさん

  • 薄くて軽いスマホで荷物が多くてもじゃまにならない
  • メールやカレンダーも確認できるからノートパソコンを持ち歩かなくてもいい

Bさん

  • 他のスマートフォンと比較しても薄くて軽い、荷物が多くてもじゃまにならない
  • メールやカレンダーも確認できるからノートパソコンを持ち歩かなくてもよくなる

これは、“商品の強みやメリット”をアピール……つまり「いい商品ですよ」。

Aさん

  • IT企業で働いている友人はみんな会社支給のスマートフォンを持っている
  • 営業は外出が多いからお客さんや上司との連絡にスマートフォンが必要
  • お客さんとのコミュニケーションが増えて関係も良くなる
  • 社内での相談もしやすくなる

Bさん

  • 同業のIT企業様では営業社員にスマートフォンを支給している会社が多い
  • セントカンパニー様ではお客さんとのコミュニケーションも増えて関係が良くなっている
  • セントカンパニー様では社内での相談もやりやすくなったみたい

これは、“他社の事例”をアピール……。つまり「他の会社も買っていますよ、メリットがありましたよ」。

会社の上司や知人には、「いい商品ですよ」「他の会社も買っていますよ、メリットがありましたよ」では理解してもらえないと分かっているのに、営業活動のお客さんには一生懸命に「いい商品ですよ」「他の会社も買っていますよ、メリットがありましたよ」と説明して理解させようとしている……。

会社の上司も知人も営業活動のお客さんも同じです。
商品のメリットをアピールしても、他社の事例を説明しても課題は理解してもらえません。

では、みなさんが上司に課題を理解させようとした時にどうしますか??

おそらく「スマートフォンが必要」という課題の原因を一生懸命に説明するでしょう。

  • 外出先でお客さんや社内との電話が多くて電話代が高い
  • 頻繁にお客さんに連絡しないといけない

……

課題の原因は何かを考え伝える

お客さんのことを知らないから知っている“商品のメリット”と”他社の事例”を一生懸命に説明して課題を理解させようとする。
そんな営業が非常に多い……。
「うちの商品はいい商品ですよ」「他の会社も買っていますよ、メリットがありましたよ」

「薄くて軽いスマホがあったので買ってください」「他の会社も配布しているから買ってください」で上司は理解してくれるでしょうか。

お客さんに課題を理解させたいなら商品のメリットや他社の事例ではなく、課題の原因について説明しましょう。
他社の事例はそのあとに補足として説明するものです。

そのために、仮説でよいのでお客さんの課題の原因をあらかじめ考えて準備しましょう。

お客さんに課題を理解させる方法は……
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次回は5月16日(月)更新予定です。

今月のクイズ(営業のクイズ)

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あなたは広告会社の営業です。
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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

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