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第22回 売上を上げる営業会議…適切に共有し、課題を考え、適切な対策を実現
ほとんどの企業・営業組織で毎週・毎月営業会議を行っている…
しかし、ほとんどの営業会議が
■意見が出ない「傍聴会議」
■状況報告ばかりの「報告会」
■言い訳ばかりの「弁解会議」
■結論や対策のない「堂々巡り会議」
営業会議のコストを計算してみましょう。
年収450万円の営業社員が5人、年収600万円のマネージャーが1人の場合。
社会保険料を含み営業社員の時給は約2,900円、マネージャーの時給は約3,750円。
週次会議、月次会議を各1時間ずつ実施すると月間の会議時間は5時間
(実態はもっと多いだろう・・・)
月間の営業会議のコストは人件費だけでも91,250円。
また、一人当たり月間5時間と準備するための報告書作成などに時間を費やしている…
毎月9万円以上の費用をかけ、
会議の5時間や報告書作成の時間で営業活動を削っている価値があるのだろうか…
こう思うことが多々あります。
~ 営業会議の役割って何? ~
営業マネージャーに聞いてみると下記の回答が多い・・・
■複数の営業社員でちゃんと情報を共有しないと
■部下の状況がわからないと上に報告できない
■部下のレベルが低いので指導しないと
■定期的にチーム全員で集まる機会がないとチームワークが問題
情報の共有であれば忙しい時間を割いて全員集まる必要があるのでしょうか?
部下の状況は日々の業務の中で把握していないのでしょうか?
指導が必要であれば個別指導の方が有効なのでは?
ただ報告しているだけの会議でチームワークが改善するのでしょうか?
飲み会で盛り上がった方が有効なのでは…
本質的な問題は、
営業会議を状況や情報の共有、個別的な指導の場ととらえていることです。
営業会議の本質的な目的は、
営業活動における「PDCA」の「CとA」。つまり計画遂行に対する検証・修正。
そして、会議とは、
「関係者が集まって相談し、物事を決定すること」(大辞泉)
つまり組織の目標や課題に対し、関係者が集まり、多角的な視点や異なる立場の意見を有効に活用しながら意思決定を行うこと。
すると、営業会議の役割とは、
営業計画(目標)に対して、進捗状況から課題を明確化し、計画達成するための対策を決定する場であり、その検討を複数の視点や異なる立場の意見を活用しながらより適切な意思決定にするためのものです。
つまり、組織を構成しているメンバーの多様な視点や意見、情報から組織と個人の課題を明確化し、計画を達成できる対策を考え、決定することです。
~ 営業会議の問題点 ~
なぜ、有効な営業会議にならないのでしょうか?
この原因には個人の意識や前述した営業会議の目的に対する理解もありますが、もう少し直接的に改善可能な原因と対策についてお話ししましょう。
【1】情報・状況の共有
この情報・状況の共有について二つの問題があります。
参加者全員による共有、営業の多様な情報の共有
1つ目の参加者全員による共有について、
課題と対策を検討するためには前提として状況を知っていなければなりません。
しかし、営業は個人主義的な体質が強く、他の会議参加者の状況を知らないで会議にのぞんでいるケースが多い…
当然、マネージャーに求められても意見が出てくるはずはありません。
2つ目の営業の多様な情報の共有について
以前にもこのコラムで申し上げていますが、営業計画の達成(課題と対策)には大変幅広く、多種多様な情報が必要です。
しかし、「見込や案件一覧」「数値による進捗情報」ぐらいしか持たずに会議を行っているケースが多い・・・
これでは、課題や対策を検討する材料になる情報があまりにも少なく、場当たり的、実現性が乏しい、またそもそも課題や対策を考えられない…
有効な営業会議にするためには、
自組織の計画達成に対する課題や対策を考えるためには、どのような情報が必要で、どのようにすれば営業会議の参加者がきちんと共有し会議にのぞめるのかを考えなければなりません。
また、会議時間を考えると、会議前に各々の状況を共有しておく必要があるのではないでしょうか?
全員分の状況の共有から始めると課題・対策を検討する時間はとれないでしょう。
【2】会議のプロセス、会議資料
営業会議に参加していると、報告・検討・決定のプロセスがなく、場当たり的に行っているケースが多い…
先に申し上げたとおり営業会議の役割が、計画達成に対して課題を明確化し適切な対策を決定することであれば、そのプロセスで進めなければなりません。
つまり、【1】組織・個人の目標の明確化、【2】進捗状況の共有、【3】課題の検討、【4】対策の検討、【5】対策による計画達成の可否の検証…
ということは、会議に使用する資料が上記プロセスに沿っている必要があり、また個々の発表も上記プロセスに沿う必要があります。
~ 営業会議の重要性 ~
今日の営業活動は、市場変化が早く、顧客の課題も複雑化し、競争も激しく差別化が難しい状況下で行っています。
これは、計画をたてても計画通りにいかないということです。
このような環境で売上を上げ、計画を達成するためには、多様な状況から課題を洗い出し、いかにしたら計画達成できるかという対策が必要。
常に、検証し対策をたてるという活動が重要になってきます。
計画達成はPDCAのCとAにかかっているといっても過言ではありません。
営業会議は、そのCとAにとって重要な役割を担っています。
ぜひ一度、自社の営業会議を振り返ってみてください。
次回は10月2日(水)の更新予定です。