第39回 ハゼ釣りの師匠が気付かせてくれた、「最適解を探る」という考え方

私たちの生活は毎日問題解決の連続です。解決策を考えますが、多くの場合、唯一絶対の「正解」はなく、あるのは「最適解」です。そのことをあらためて気付かせてくれたきっかけは、ハゼ釣りでの出来事でした。 

ハゼ釣りの師匠が気付かせてくれた、「最適解を探る」という考え方

突然ですが、最近「最適解」という言葉が気に入っています。きっかけは、ハゼ釣りの時に友人のTさんが「最適解」という言葉を使ったことでした。
私は数年前からハゼ釣りにハマっていて、シーズン中は家から自転車で10分くらいのところにある江戸川放水路(注)に週に1度か2度通っています。

友人であり、師匠でもあるTさんから仕掛けについて教わっていた時のことです。彼が「今の自分の最適解はこれです」と言って、仕掛けの構造とその理由を詳しく説明してくれました。私はその説明に深く納得したこと以上に、特別目新しくもない「最適解」という言葉になぜだか小さな驚きと快感を覚えたのです。

  • (注)江戸川放水路はハゼ釣りで有名な場所で、他県からも多くの愛好家たちが訪れます。

日々の生活、仕事は問題解決の連続

経営コンサルタントの役割は、クライアント企業の問題解決を支援することです。そして、私たちの毎日も問題解決の連続です。

  • ダイエットに成功しない、運動が続かない、部屋が片付かない
  • ムダな仕事が減らない、社員がなかなか定着しない、ペーパーレスと言いながら書類は増えるばかり

どれも、ありたい姿や目標と、それが実現できない現状との間にギャップ(=問題)が存在しています。

問題解決のアプローチでは、「問題」→「原因」→「解決策」→「実行」というステップを踏みます。今までは「解決策は何だ?」と考えてきた私ですが、最近は「最適解は?」と頭の中で使う言葉が変わりました。同じような言葉だと思われるかもしれませんが、私にとっては大きな変化なのです。

正解と最適解

クイズや大学受験のテストでは「正解」があるとしても、私たちが遭遇する問題で求めるのは「最適解」だと思います。両者の違いを考えてみましょう。
正解は、「唯一絶対の答え」という印象があり、時には排他的な感じがします。
最適解は、求める成果や状況によって変わり、多様性と柔軟性を備えているのではないでしょうか。

ハゼ釣りでも、絶対の正解となる仕掛けはないはずです。釣る場所、天候、時間、釣る人のスタイルなどによって変わります。だから、Tさんは「今の」「自分の」最適解だと言ったのでしょう。

おわりに

最適解という言葉に「驚きと快感を覚えた」と書きました。最適解には、探る、創る、造るというクリエーティブ、能動的な感じがしてワクワクしたからだと思います。最適解を探るために大切なことは、目的や成果を具体的にイメージすることなのではないでしょうか。

次回以降、数回にわたり「最適解」を探るという考え方について述べていきたいと思います。

追記

8月から9月にかけて釣果が100匹を超える日が5回続きました。最高は9月15日の151匹です。しかし、10月初旬に33匹という日がありました。季節が進み、状況が変化して、8月の最適解が10月には最適解でなくなってしまったのでしょう。その後、修正、改善を重ねて11月に再度100匹を超えました。
すみません。うれしかったので、最後にちょっと得意気に書いてしまいました(笑) 日々精進です。

このコラムの第37回で、「『方法論』より『目的論』。その仕事は何のためにやるのか?」という記事を書いています。ぜひこちらも併せてご覧ください。

参考

第37回 「方法論」より「目的論」。その仕事は何のためにやるのか?

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この記事の著者

太期 健三郎

ワークデザイン研究所 代表
石山社会保険労務管理事務所 パートナー・コンサルタント

経営コンサルタント。
管理間接部門の業務改善、HRM(人材マネジメント)の二本の専門領域を持つことを強みとする。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)、株式会社ミスミ、株式会社グロービスに勤務後、2008年にワークデザイン研究所を設立。
MURCでは人事コンサルティング、ミスミではコールセンターの業務改善を行った後、三枝匡社長(当時)の直轄タスクフォースで営業改革を推進する。グロービスではコンプライアンスおよびリスクマネジメントを統括、推進。
また、2013年~2015年にはクライアント企業の食品メーカーの内部改革者として人事部長・経営改革室長を兼務する。
「患者様の声をよく聴き、丁寧に診断・治療する“中小企業のかかりつけ医”」を信条としている。
ワークデザイン研究所
石山社会保険労務管理事務所

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