RPAを導入する際に重要となるポイントについてお聞かせください。
RPA導入に当たり、三つの準備が必要になります。
1.手順書・マニュアル作成
一つ目は、デジタルレイバー向けの手順書・マニュアル作成です。人であれば暗黙の了解で伝わる部分がデジタルレイバーには全く伝わりませんので、例外を含めた詳細な部分まで作りこむことが求められます。そのためには、現状の業務をそのまま自動化するのではなく、現状の業務を全て洗い出し、“人の作業”と“デジタルレイバーの作業”とを切り分ける必要があります。
2.現状業務のスリム化
二つ目は、人と異なりミスをしないデジタルレイバーですから、それに合わせた現状業務のスリム化が重要だということです。現状の業務では、必ずミスを見落とさないためのチェック工程が組まれているはずですが、デジタルレイバーには不要となります。業務のスリム化というメリットを可視化し、他部門や経営者にRPA導入についての正しい理解を得ることが大切です。
3.トラブル時の対策
三つ目は、それでもトラブルが発生した場合の対策です。人がデジタルレイバーの業務を常に理解しておくというエラーハンドリングが重要になります。例えば震災の影響で、デジタルレイバーが機能しなくなるということも考えられ、そうした場合はすぐに人による作業に戻すことができる体制づくりが求められるのです。
デジタルレイバーに業務を詳細に教え込む、教え込んだからにはデジタルレイバーを信じる、万が一に備えてエラーハンドリングを行う、この3要素を抑えたうえで業務を平準化し、属人化していた業務を可視化することが大切です。そしてどの業務からRPA化に着手するかという計画を立てることがRPAの効果を高めるために有効になります。





