今後、RPAはどのように発展していくとお考えでしょうか。
一般的にRPAは三つの段階に分かれているとされています。1.0は“Process Automation”の文字どおり、ルーチン化している定型作業を自動化するというものです。2.0はデータの分析などの非定型作業を自動化、そして3.0は多面的な分析結果に基づく意思決定などの高度なプロセスを自立化します。2.0以上では「判断」が必要な段階となり、AI(人工知能)と呼ばれる仕組みが必要になるのですが、私は1.0と2.0との間に1.5があると考えています。1.5は、AIが深層学習するために必要な大量のデータを、RPAによりビッグデータから抽出するというフェーズです。
RPAはインプットとアウトプットを行い、その間にはデータベースがあります。RPAの活用により、そのデータベースにビッグデータを蓄積し、データレイク化(注)することが容易になりました。そして、そのデータレイクの多様なデータから有用な知見を見いだすデータサイエンスの領域にも、RPAは高い親和性を有しています。つまりRPA1.5は、インプット・データサイエンス・アウトプットという連携でビッグデータを活用して、さまざまな予測を立てるという分野をRPAがカバーするという段階になります。
人手に頼ってビッグデータから何かしらの知見を見いだそうとしても、時間的な制約もあり、非常に大きな困難が伴います。しかし、デジタルレイバーであれば、24時間分析し続けることができるため、その結果に基づいたアラートやヘッドラインを、即座に人に伝えることが可能になるのです。
この1.5の段階まで到達することで、AIによる学習効果を発揮するという2.0が初めて視野に入ってきます。
- (注)データレイク:データ形式を問わず、多種多様なデータを蓄積する基盤







