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ApaRevo 活用コラム
百貨店への出店時の消化仕入取引における収益認識基準について
「ApaRevo」における消化仕入取引の収益認識基準への対応方法についてご紹介します。
ApaRevo 百貨店への出店時の消化仕入れ取引における収益認識基準について
株式会社大塚商会
首都圏ソリューショングループ
ASCアパレル・旅行SPソリューション課
依田 裕二
百貨店ではアパレル(衣料品)や雑貨などにおいて、また、催事場において、消化仕入れという仕入れ形態が採られることがあります。消化仕入れは、業界用語で「売上仕入れ(うりあげしいれ)」「売仕(うりし)」とも呼ばれます。
消化仕入れとは、商品を百貨店が顧客に販売したとき、同時に、その商品を百貨店が納入業者より仕入れたものとする、という形態です。百貨店から顧客への販売と、業者から百貨店への販売という二つの取引が、同時・瞬間的に行われたとみなすものです。
今回は、「SMILE ApaRevo」における消化仕入れ取引の収益認識基準への対応方法についてご紹介します。
消化仕入れ取引に対する仕訳についての流れ
- 百貨店店舗にて顧客に販売した取引
- 上代(百貨店での顧客への販売価格)は10,000円、下代(百貨店への販売価格)は7,500円
仕訳作成イメージ
収益認識基準での仕訳内容
- (借)売掛金7,500円/(貸)売上高10,000円
販管費2,500円/
「ApaRevo」で生成される仕訳
- (借)売掛金7,500円/(貸)売上高7,500円
対応案
「SMILE」ではパッケージとしてのシステム対応は行わずマニュアルなどの提供のみとなります。
そのため、以下の方法で対応を行う必要があります。
- データで仕訳は連携せず、仕訳を手入力する際に必要となる帳票を、月末に出力できるように自由帳票で作成する
- 現行の仕訳はそのままとし、月末に修正仕訳を作成するようなカスタマイズ対応を行う
(1)データで仕訳は連携せず、仕訳を手入力する際に必要となる帳票を、月末に出力できるように自由帳票で作成する
自動で作成されている仕訳 | (借) 売掛金7,500円 /(貸) 売上高7,500円 |
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手入力 | (借) 販管費2,500円 /(貸) 売上高2,500円 |
自由帳票で作成した帳票を確認して、会計システム側で販管費:販売手数料の仕訳を登録する。
(2)現行の仕訳はそのままとし、月末に修正仕訳を作成するようなカスタマイズ対応を行う
自動生成で作成されている仕訳 | (借)売掛金7,500円 /(貸)売上高7,500円 |
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カスタマイズで作成される自動仕訳 | (借)販管費2,500円 /(貸)売上高2,500円 |
改修内容案
- 科目対応マスター(新規)
- 収益認識対応仕訳自動作成(新規)
- 仕訳自動生成確認リスト(新規)
現時点の「ApaRevo」パッケージ範囲内では(1)の案で対応することになりますが、今後、「SMILE 会計」システム連携に対応できるように(2)の案を検討していく予定です。
[SE]2022年4月19日