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パッケージソフト選定時の留意点
今回は、パッケージソフト選定時の留意点についてご紹介します。
パッケージソフト選定時の留意点
株式会社大塚商会
首都圏ソリューショングループ
ASCアパレル・旅行SPソリューション課
森 浩和
オーダーメードのシステム構築と異なり、パッケージソフトを選定する際には、さまざまな観点からパッケージソフトを比較検討します。特に重要なポイントは、自社の業務を網羅できる機能を備えているかを細かくチェックすることです。要件の明確化、RFPの作成、予算策定、ベンダー交渉といったパッケージソフト選定には多くの工程があり、多くの「落とし穴」も同時に潜んでいます。
例えば、現状調査が不足しており、必要となる業務を全て洗い出しができていないかもしれません。現在、行っている業務の洗い出しが足りなければ新しいパッケージソフトを導入しても、機能不足に陥る可能性があります。
パッケージソフト導入における失敗の多くは、以下の三つの“不足”に大別することができます。
- 業務の洗い出し不足
- 業務の見直し不足
- 導入効果の評価不足
このような“不足”を、防ぐにはどのようにすべきでしょうか。
パッケージソフトにどのような機能が必要なのかを明確化するため、現行の業務を網羅的に洗い出ししましょう。業務の棚卸しができていなければ、既存のシステムでは運用できていても新しいシステムでは業務ができなくなったり、かえって手間が増えてしまったりするケースが存在します。
長い間、自社で開発したシステムを使用している場合や、パッケージソフトでも継続的に追加開発を行っている場合、現行のシステムの全体像を正確に把握できていない場合が少なくありません。現在、システム化できていることを新しいパッケージソフトを導入しても継続できるよう、現行業務や機能の棚卸しを正しく行う必要があります。では、現行の業務やシステムの機能を新しいパッケージソフトで全て網羅できていれば、それでよいのでしょうか。
新しいシステムを導入しようとすれば、相応のコストがかかります。そのため、そのシステムの導入コストに見合うだけの価値を求める必要があります。そのために、現行業務で抱える課題に対して、新システムでは一定の改善効果の見込みがなければなりません。
業務改善には、二つの方法があります。
1.業務をなくす
一つは業務をなくすという方法です。例えば、誰が見ているのか分からない帳票作成や、何に利用されているのか分からないデータ入力などの「無駄な業務」があるかもしれません。システム入れ替えは無駄な業務をなくすチャンスです。
2.業務のやり方を変更する
もう一つは、業務のやり方を変更するという方法です。 例えば、紙に記入して回付していた各種指示書を電子化して一元管理することで、社内全体の業務効率化が図れます。しかしながら、このような業務改善を行うには、関係する部署との折り合いをつけながら、新しい業務手順を従業員にしっかり周知しなければ成功しません。失敗しないためにも、他社の成功事例なども参考にしてみるとよいでしょう。
[SE]2022年12月27日