ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
製品、サービスに関するご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
ApaRevo 活用コラム
サードパーティーCookie規制とリテールメディア
今回は、サードパーティーCookie規制とリテールメディアをご紹介します。
サードパーティーCookie規制とリテールメディア
株式会社大塚商会
首都圏ソリューショングループ
ASCアパレル・旅行SPソリューション課
小野 優太
サードパーティーCookie規制とは
EUのデータ保護規制「GDPR」やアメリカの消費者プライバシー法「CCPA」など、個人情報保護を目的としたCookieによる情報収集の規制が世界的に進んでいます。日本でも2022年に改正個人情報保護法が施行され、規制強化の傾向にあります。サードパーティーCookieのサポートは、Safariでは既に終了していますが、GoogleはChromeブラウザーでのサードパーティーCookieの完全廃止を度々延期しています。
サードパーティーCookie規制によるWebマーケティングへの影響
サードパーティーCookieが規制されることにより、「リターゲティング広告」というWebマーケティング手法の利用が難しくなります。そこで小売企業が所有する顧客の購買データを利用できるリテールメディアは、リターゲティング広告に代わる手法として大きく注目されています。
リテールメディアとは
リテールメディアとは「リテール=小売り」と「メディア=媒体」を組み合わせた造語です。従来は小売企業が保有する購入者の購買データを活用し、小売企業が実施する経営分析や販売促進など、自社での活用にとどまっていました。これを広告サービスという形で小売企業と取引があるメーカーなどの第三者も購入者の購買データを活用可能にする仕組みを指します。
リテールメディアのメリット
メーカーのメリットとして、小売企業が持つ購買データを活用し、ターゲティング精度を向上させることができます。小売企業のメリットとして活用しきれていなかった購買データを応用し、メーカーを出資者とした販路拡大や売上向上が見込めます。
リテールメディアの事例
日本の大手アパレルECモールである「ZOZOTOWN」では、2024年3月期通期決算にて、リテールメディア事業の売上高が25.3%増加しています。2018年9月に広告事業(リテールメディア)を本格スタート。検索連動型の広告システムである「ZOZOAD」はZOZOTOWNに出店している事業者のうち6割以上が利用しています。2025年3月期に広告事業の売上を前期比18.1%増の115億円まで拡大を目指すとのことです。
[SE]2025年6月19日