第21回 運送業の改善基準告示対応~(10)出退勤にデジタルツール~

前回のコラムでは、運送業の勤怠管理表にお話ししました。今回はいかにデジタルの力を活用して、管理すべき項目が多い運送業の勤怠管理を行っていくかを考えてみたいと思います。

運送業の改善基準告示対応~(10)出退勤にデジタルツール~

前回のコラムでは、運送業の勤怠管理表についてお話をいたしました。

運送業の勤怠管理は改善基準告示の管理、毎日が変形労働時間など管理すべき項目が多く、一般的な業種・職種と比べて管理が難しくなっています。ただ、管理すべき項目が多いのは、安全性が強く求められる業種であるからです。しっかりと行っている企業ほど、社会に認められる会社であることは間違いありません。
2024年以降も社会に選ばれる会社であり続けるために、しっかりとやらなければいけませんね。

さて、今回はいかにデジタルの力を活用して、運送業のこの難しい勤怠管理を行っていくか、一緒に考えてみたいと思います。

「出勤と退勤」時間を当日、個人に入力させる仕組みをつくる

「うちの会社では勤怠管理はしっかりとできているよ」という企業の状況を聞かせていただくと、デジタコを全車に導入しているから大丈夫とおっしゃっている場合が多いです。
確かにデジタコはとても高い管理レベルで素晴らしい仕組みですが、ほとんどのデジタコでは出庫〜帰庫(入庫)の間の管理は行えても、その前後の時間があいまいになりがちです。前後の時間とは例えば、日常点検、乗車前点呼、運転日報の作成など、出庫・帰庫の前後に発生する時間などがあります。
対策として、前後15〜30分ずつ拘束時間にプラスするというルールを決めている企業も多くありますが、勤務時間を分単位で管理していかなければならない今後の流れには則さない部分が発生しそうです。

よってデジタコを全車導入している企業でも、出庫と帰庫だけではなく、出勤と退勤で管理しなければいけません。もちろん、出勤時間と出庫時間がかなり近くなる場合もあり、面倒と感じる場合もあると思います。しかし、管理ルールがどう決められているかが優先される事項ですね。

効率的な勤怠管理のポイントは、個人が一日の業務を開始・終了したタイミングで、時間をデジタル的に入力することです。

ドライバーにパソコンに直接打ち込んでもらっても、スマホに入力してもらってもよいですね。

自社にあったデジタルツールを選ぶ

考えられるソフト・アプリ・ツールはいくつかあります。

  1. 事務所にドライバー専用にパソコンをおいて、ExcelやGoogleスプレッドシートなどに入力する仕組みをつくる
  2. データ化できるタイムカードシステムを導入する
  3. サブスクリプション型の出退勤管理ソフト・アプリを導入する

すぐにできて、費用も大きく掛からない方法としては(1)が考えられますが、ちゃんと入力してくれるのか、時間は間違えて入力されないか、虚偽報告がないかなど、心配は残ります。しかしすぐに始めるとしたら、これでしょう。

次に費用は掛かるものの、始めやすいのはタイムカードシステムです。これはタイムカードを押下すると、打刻されると同時にデータ化されるものです。運用を想像しやすく導入しやすいのですが、機械が高額なことが多いですね。検討が必要です。

導入しやすく、今の時流でいうと、スマホなどを使った出退勤管理ソフトの活用です。一人あたり月数百円で使用することができますし、社員個人のスマホを使った運用も検討できます(このあたりは経営者さんの考え方もありますので、一概にいえませんが)。
流れとしては、出退勤ソフトで、「出勤」→点検・点呼などの実施→「出庫」→運行→「帰庫(入庫)」→日報などの作成・報告→「退勤」という流れになります。

さまざまなシステムの選択肢がありますが、できるだけいろいろなところに入力することなく、一つのシステムで簡潔できるのが望ましいですね。

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次回は5月20日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社AppLogi 代表取締役

廣田 幹浩

国内大手コンサルティング会社SCM&ロジスティクスソリューショングループ グループマネージャー職を経て現職。300社を超える荷主向け物流効率化、数100社超の運輸・配送関連経営コンサルティングの実績をベースとして、2018年に株式会社AppLogiを設立。最新の運輸・配送関連クラウドアプリケーションを提供する。
株式会社AppLogi

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