第40回 運送業の労務管理のデジタル化~(5)運送会社に特化した勤務状況表

前回のコラムでは、運送業が勤怠管理をシステム化するメリットについてお話ししました。今回は、運送会社がデジタル管理しておいた方がよい労務管理項目を押さえた、運送会社に特化した勤務状況表についてお伝えします。

運送業の労務管理のデジタル化~(5)運送会社に特化した勤務状況表

前回のコラムでは、運送業が勤怠管理をシステム化するメリットについてお話ししました。基本の労務管理をはじめ、改善基準告示など管理がむずかしいマネジメントを実施するにしても、勤怠管理が全ての始まりです(何日、出勤しているのか分からないのは……ですね)。
何はともあれ、どこから始めればよいか迷っておられる方は、勤怠管理をデジタル化するとよいと思います。

今回は、運送会社がデジタル管理しておいた方がよい労務管理項目を押さえた、運送会社に特化した勤務状況表についてお伝えします。

運送会社に特化した勤務状況表が必要

運送業の勤怠管理方法は、他業界とは少し違って、力点が複数あります。一般的な職種では「労働時間」が重視されますが、運送業では併せて「拘束時間」「休憩時間」「運転時間」も管理項目として重要視されます。この「拘束時間」「休憩時間」「労働時間」「運転時間」に対して、この時間を超えないようにしなさいと決められているルールが、本コラムにも何回か登場している「改善基準告示」と呼ばれる管理項目です。

この項目は毎日管理しなければならない項目であるため、運送会社の毎日の勤務状況表に記載して管理する必要があります。
改善基準告示には下記の項目があります。

  1. 重複時間を含む1日の拘束時間(重複時間=前日の出勤時間より、早く出勤した時間)
  2. 原則拘束時間13時間を超えた時間数
  3. 原則拘束時間16時間を超えた時間数
  4. 休息期間(業務を終了してから、翌日の業務を開始するまでの時間)
  5. 4時間連続運転オーバー回数
  6. 2日平均運転時間
  7. その他

(5)(6)に関しては「運転時間」、(1)~(4)に関しては出退勤時間を含めた管理の「拘束時間」「休憩時間」「労働時間」の管理になります。逆の言い方をすると、出退勤時間を管理できていないと(1)~(4)の項目が管理できないことになります。これは危険ですね。

上記を踏まえたうえで、勤務状況表の管理項目を考えてみましょう。

運送会社に特化した勤務状況表

下記の表のような項目が網羅できていればベターです。

社員コード/
ドライバー名
勤怠分類出勤時刻退勤時刻出庫時間帰庫時間翌日との
重複時間
拘束時間
(重複含む)
0001/
AppLogi
出勤7:5120:428:0520:300:3512:51
(13:26)

続き↓

休憩時間労働時間運転時間時間外
労働時間
早朝深夜
労働時間
拘束時間
13h超
拘束時間
16h超
休息期間
8h
1:0011:519:5203:5100:0000:26 ×00:00 ○11:19

管理項目が全て網羅されているわけではありませんが、ここから始めようというイメージです。出退勤時間が取れるだけで、労務管理は一気に進みます。これができれば次は2日平均運転時間や、4時間連続運転の管理に進むこともできますし、会社として基準を順守しようとしている姿勢は見えるでしょう。

まずはスタートが大切ですね。

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次回は2月24日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社AppLogi 代表取締役

廣田 幹浩

国内大手コンサルティング会社SCM&ロジスティクスソリューショングループ グループマネージャー職を経て現職。300社を超える荷主向け物流効率化、数100社超の運輸・配送関連経営コンサルティングの実績をベースとして、2018年に株式会社AppLogiを設立。最新の運輸・配送関連クラウドアプリケーションを提供する。
株式会社AppLogi

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