第152回 さまざまなスキルが関係する営業の教育はスキルマップが欠かせない
「提案ができないから提案書作成の教育」……しかし、提案に必要な情報を収集するスキルがなければ実践できない。実践できない営業教育は気休めにしかなりません。営業の一つ一つの仕事にはさまざまなスキルが影響します。今回は、さまざまな営業スキルに対し適正に教育を組み立てるために必要なスキルマップとストーリーについてお話しします。
さまざまなスキルが関係する営業の教育はスキルマップが欠かせない
営業研修や上司や先輩の現場指導……
一生懸命に企画したり、指導したりしてもうまくいかない、成長しない、変わらない。
営業の教育は難しいものです。
しかし、営業は個人の能力で成果を上げる仕事。
いくら体制や戦略を整え、組織力を強化しようとしても、実際にお客さんに対峙(たいじ)する営業担当者のスキルが伴わなければ売上は上がりません。営業強化において営業担当者の能力を上げる営業教育は大切です。
みなさんの会社の営業教育はいかがでしょうか?
提案スキル向上のための研修では手応えがあったが……
設備機器商社セントテクノロジーの営業企画部では来期の営業教育について話し合っていました。
営業企画部長Aさん
「うちの営業は、御用聞きばかりで提案しないんだよな」
「Bさん、どう思う?」
営業企画担当Bさん
「そうですね、みんな今まで提案したことがないから教育しないと」
「でも、ヒアリングも弱いですよ、お客さんのことを把握できていないですし」
Aさん
「確かに……」
「それに、営業部長がうちの営業は決裁者を説得できないって悩んでいたよ」
「何を教育するべきか、営業部に聞いた方がいいな」
Bさん
「そうですね、営業部にヒアリングしてみます」
そして、Bさんは営業部長とマネージャーにヒアリングしてみました。
営業部長
「今まで設備機器販売ばかりだったけど、これからはIoTや自動化の売上を伸ばさないといけないので提案スキルを教育しないと」
営業マネージャー
「そうですね。ヒアリングも弱いですし、うちの営業は御用聞きばかりで提案ができていません……」
「提案書の作り方やプレゼンテーションを教えてほしいです」
セントテクノロジーでは、営業部長とマネージャーにヒアリングした結果、提案スキルの研修を行いました。
研修内容は、
- 提案書の目的や構成
- PowerPointで提案書を作成する方法
- プレゼンテーション
グループワークで、
- 共通の題材に対してグループに分かれて提案書を作成
- 作成した提案書をグループの代表者が発表(プレゼンテーション)
Bさんが研修後に営業会議に参加してみると……
営業部長
「みんな真剣に受講していたし、グループワークの発表も良かった」
営業マネージャー
「提案書の作成方法やプレゼンテーションを学んだので、これからは提案してくれると思います」
そして、期末の営業会議……
営業部長
「研修したのに、全然提案していないじゃないか」
営業担当Cさん
「一度、提案したんですけどお客さんの反応が悪くて……」
営業担当Dさん
「提案を受けてくれるお客さんがいなくて……」
営業担当Eさん
「商品を紹介したらお客さんが検討するって言ってくれて、提案する必要がなかったんです」
せっかく研修したのに営業担当者は提案しませんでした。
営業部の要望を聞いて研修したのに、なぜ提案しなかったのでしょうか?
みなさんも考えてみてください。
提案するために必要なこととは何か
そもそも、提案するために必要なことは?
提案書を作成するスキル、プレゼンテーションのスキルも必要です。しかし、提案するためにはその他に必要なことがあります。
- 提案書を作成するために必要な情報を収集するスキル
- お客さんから提案の場をもらうために必要な関係を構築するスキル
- 提案依頼を獲得するために必要な課題を聞き出すスキル
セントテクノロジーでは、提案書の作成方法やプレゼンテーションの研修を行いましたが……
営業担当Cさんは、
情報を収集するスキルが弱かったため、お客さんのことを把握できていませんでした。
そのため、お客さんに合った提案ができず「お客さんの反応が悪くて……」
営業担当Dさんは、
お客さんとの関係を作るスキルが弱く、関係を築けていませんでした。
そのため、お客さんから提案の場をもらえず「提案を受けてくれるお客さんがいなくて……」
営業担当Eさんは、
今まで商品を紹介して買ってもらう営業ばかりで、課題を聞き出すスキルがありませんでした。
そのため、課題を聞けず「商品を紹介したらお客さんが検討するって言ってくれて、提案する必要がなかったんです」
情報収集やヒアリングスキル、お客さんと関係を築くスキル、課題を聞き出すスキルが弱かったため、提案してもうまくいかなかった、提案できなかったのです。
提案書の作成方法やプレゼンテーションの研修の前に、情報収集やヒアリングスキル、お客さんと関係を築くスキル、課題を聞き出すスキルの研修が必要だったのです。
現在の営業スキルからスキルマップを作成し、教育するストーリーを考える
営業はさまざまなスキルを組み合わせて行う仕事であり、一つの仕事にさまざまなスキルが影響します。
課題や提案を考えるスキル、説明スキル、情報収集スキル、ヒアリングスキル、コミュニケーションスキル、関係構築スキル、提案書作成スキル、プレゼンテーションスキル、予算や決裁者を把握して対策を考えるスキル、競合を把握して対策を考えるスキル、交渉スキル、シナリオや戦略スキル……
これらのさまざまなスキルを組み合わせて行う仕事です。一つだけ教育しても、他の必要なスキルが欠けていたら実践できません。
決裁者の説得は、
課題や提案を考えるスキル、情報収集スキル、関係構築スキル、交渉スキル、……を組み合わせて行う仕事。
これらの中で欠けているものがあると、決裁者対策を考えるスキルを教育しても実践できません。
さまざまなスキルを身につけ、現場で実践するための営業教育では、営業スキルの関係性と階層を考えてスキルマップを作成し、教育のストーリーを考える必要があります。
足りないスキルや必要なスキルを単純に教育するのではなく……
- 営業に必要なスキルを全て洗い出し、それぞれのスキルの関係性と階層を考えてスキルマップを作成しましょう。
- スキルマップに対し現在の営業担当者のスキルを考え、教育するストーリーを考えましょう。
営業は、個人の能力で成果を上げる仕事。
個人の能力を上げるための研修や現場指導などの教育は営業強化にとって最も大切です。しかし、営業部から足りないスキルや必要なスキルを聞いて、そのまま教育し、現場で実践できず、能力が上がらない会社が多く見受けられます。
提案スキルが足りない→提案の指導→ヒアリングスキルが弱いので実践できない……
戦略スキルが足りない→戦略の研修→関係構築や提案スキルが弱いので戦略を進められない……
営業は、さまざまなスキルを組み合わせて実践する仕事です。
そして、商品説明、ニーズ発掘、提案、クロージング……一つ一つの仕事はさまざまなスキルが影響します。
みなさんの教育内容は、現場で実践できるものですか?
営業教育のストーリーを考える方法……詳しくは、
「営業のアドバイス」個人・法人会員サービス
必要な営業スキルとそれぞれの関係性や階層を考える方法……詳しくは、
課題解決型営業スキルマップ
営業のスキルマップや営業教育のストーリーについてセミナーでご紹介します。
営業教育セミナー ~営業は個人のスキルで成果を上げる仕事…現場で成長できる営業教育とは~
次回は2月16日(月)更新予定です。
今月のクイズ(営業のクイズ)
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