介護事業のIT化は、2000年の介護保険法施行を機に進展してきた。まず請求などの基幹業務効率化に向けたシステム化が進み、2010年ごろより現場の記録業務を支援するためのソリューションが発達。そしてここ数年は、IoTを活用した介護センサー・見守り系システムに注目が集まっている。その背景と現状を、株式会社大塚商会 本部SI統括部 業種特化支援グループ 部長の豊田 雅章は次のように説明する。
「介護は人対人の労働集約型サービスですが、高齢者の増加と人手不足が相まって、IoT化による生産性向上を図らなければ現場が機能しないところまで来ています。そんな中、さまざまなバイタルデータや体動を感知する介護センサー・見守り系システムは、ご利用者の安全管理強化や自立支援、職員の作業効率化やコミュニケーションの円滑化などに役立つとして、急速に利用が広がっています」
導入時の大きな課題となるのが投資コストだ。正確な情報収集には高性能のセンサーやカメラを十分な個数をそろえることが不可欠だが、普及に伴い機器の価格は低下しているので、各種公的補助金を活用すれば、中小規模の事業所であってもハードルはそう高いものではなくなっている。留意したいのは、システム本体以外に、設備工事や無線LAN環境整備、保守などの費用も必要となることだ。経営者には、総費用から1部屋あるいは1ベッド当たりのコストを算出し、投資対効果を十分に検討することが求められる。
「安全管理強化や職員の作業負担軽減など、当初特定の目的で導入しても、運用が進むと別の用途でも活用したくなるケースが少なくありません。初めから発展的な運用を見越し、多様な用途に対応するフレキシブルなシステム選択とデータベース設計をすることをお勧めします」(豊田)
















