第95回 設計部門BOM改善コンサルの現場から~その30~女性チームの活躍

流用化・標準化設計プラットフォーム構築時に負担となる情報入力作業ですが、女性入力チームの前向きな姿勢に勇気をもらいました。設計者以上に問題意識も持っていて「私たちの働きで少しでも生産効率を上げたい」という心意気を感じました。プラットフォーム構築への陰の功労者です。

設計部門BOM改善コンサルの現場から~その30~女性チームの活躍

ホッピーのベターハーフの金宮ですが、1.8リットルの紙パックを見つけ購入しました。ボトルより多少お得で、消費税対策には十分です。ただし欠点が一つ。それは呑んだ量が外から見えないこと。気が付くと一本(パック)空いているという状態に。ボトルの「今日も半分呑んだから、この辺で……」という自制が掛かりません。やはり何事にも「可視化」は大切です。

入力作業とは

設計プラットフォームの資産層構築には設計成果物の2Sから始まって、その結果の登録や現存する製品群のBOM、もしくはBOMとして再構成する基となる部品表の登録が必須となります。一般的な入力方法は、いきなりプラットフォームに向かってキーボード入力はせずに、まずはCSV形式の「データ取り込みフォーム」に合わせたデータはめ込みを行って、一括で取り込みを図る作業となります。この作業を設計者に行わせることに反対はしませんが、優先的に考えて、設計者は設計視点での設計成果物の2SやBOMの正しい構築にできるだけ注力してほしいと思います。

入力作業の付加価値が低いといっているのではなく、設計者でなくとも遂行が可能な作業ですから、少しでも設計者の物理的、精神的負担を軽くする意味でも入力作業の全社での分業を図るべきです。今回は、お預かりしている会社の実例です。こちらの会社では、設計部門のモチベーションがなかなか上がらず難儀をしていましたが、ようやく入力作業に移行できる状態になりました。

6名の女性たち

ここで入力作業の担当者として登場したのが、6名の女性たちです。社員+パートさんの混成部隊。

彼女たちは生産管理システムに出図された部品表を入力したり、対応する図面を取りそろえたりするのが日常業務とのこと。
従って「部品表や図面も見たことはない」という状況ではありませんでしたが、設計技量は期待できないわけで、どこまで正しく取り込めるのか、いささかの不安を感じていました。

しかし、作業の指導を進めるほどにその不安は消えていきました。彼女たちは非常に問題意識が高いのです。

「品目コードが違うのに、何か同じ図面に見えるのですが」
「この部品、いつも生産側で手直しが必要だって言われています」
「同じ購入品なのに、なぜか品目コードが違うんです」

こんな意見が聞けました。

漫然と仕事をしているわけではなく、彼女たちなりに出図された設計成果物に潜む矛盾をしっかりと感じ取っているのです。
もちろん、設計の不具合を見いだすところまでは期待はできませんが、彼女たちの問題意識はとても大切な情報を浄化するフィルターになるのです。ですから彼女たちの「何か変?」はとてもありがたい感性なのです。

実際にデータ取り込みをハンズオンしてみたら

BOM構成としては不完全な部品表でしたが、まずは試しに取り込むことにしました。すると、設計プラットフォームは構成上の矛盾をエラーメッセージと共に修正を求めてきます。ITですから、例外なく容赦なく迫ってきます。

「品目コード体系に矛盾がある」
「同一レベルに同一品目コードのユニット・部品が存在する」
「親子関係の矛盾」

さらに、これらの複合した誤り、等々に対し彼女たちの格闘が始まります。

しかし、彼女たちは喜々として作業しているではありませんか!
「私、こういう重箱の隅をつつく仕事が好きなんです」
「汚い洗濯物をきれいにしていく感じ」(これ、すごく納得感あります)

こんな本音も聞けました。女性ならではの特質も手伝っているのでしょうか。全てのエラーを修正して「取り込み完了」のステータスが出ると「やったー!」との歓声が聞こえます。

女性入力作業チームの勧め

もちろん、入力作業の女性たちだけでは解決できない問題は存在します。
取り込みデーを決めて、その日は設計者が彼女たちに張り付き、一緒に問題、不具合解消に当たるような作業ルーチンとすることを勧めました。設計者は彼女たちの「厳しい指摘」に翻弄(ほんろう)されますが、それも設計者には良い学び場となるでしょう。

設計者のモチベーションがあまり芳しくない状況であったため、彼女たちの意識の高さは強いコントラスト放っていました。
彼女たちは知っているのです。気付いているのです。
「何か、毎回無駄なことやっているなー」「もう少し手際よくモノ作りできないのかなー」

そんな彼女たちに、
「あなたたちの入力作業でこの会社の効率が良くなるのです、その根本を成す作業なのです」とお願いすると
「私たち頑張ります!」という、同社で今まで聞いたことのないポジティブな言葉が聞けました。

貴社でも、入力作業女性チームを編制されてはいかがでしょうか。思いがけない力を発揮してくれるかもしれません。

次回は11月1日公開予定です。

ご案内

書籍

当コラムをまとめた書籍『中小企業だからこそできる BOMで会社の利益体質を改善しよう!』を日刊工業新聞社から出版しています。
BOM構築によって中小企業が強い企業に生まれ変わる具体策とコツをご提案しています。

Nikkan book Store(日刊工業新聞社)
中小企業だからこそできるBOMで会社の利益体質を改善しよう!(日刊工業新聞社Webサイト)

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製品原価の80%は設計段階で決定されます。「生産革新 Bom-jin」は生産管理とのデータ連携を重視し、設計技術部門の図面・技術情報などの設計資産を「品目台帳」で管理。部門内の設計ルールを統一し、標準化と流用化を実現します。また、生産管理システム「生産革新 Raijin SMILE V」と連携し、生産部門との双方向連携による真の一気通貫で、コスト削減・納期短縮・生産効率の向上を実現します。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 本部SI統括部 製造SPグループ コンサルタント

谷口 潤

開発設計製造会社に入社以来、設計開発部部長、企画・営業部部長などを経て、米国設計・生産現地法人の経営、海外企業とのプロジェクト運営、新規事業開拓に携わる。その後、独・米国系通信機器関連企業の日本現地法人の代表取締役社長就任。現業に至る。

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