業務改善の必要性と効果は? 役立つフレームワークと具体的な施策の例

業務改善とは、その名のとおり業務を改善していくこと。具体的には、効率や生産性に注目して、改善していく取り組みを意味します。業務の中には、自覚の有無に関わらず問題が内在しているケースが少なくありません。小さな問題の蓄積が、顧客へのスムーズな商品・サービス提供の阻害、現場の混乱、従業員にストレスを与えるなど、さまざまな悪影響をもたらします。改善計画をたて、問題を是正していくことが大切です。こちらでは、業務改善の必要性や実際の業務改善で役立つフレームワーク、改善の具体例などについてご紹介します。

業務改善が必要な理由は?

まずは、業務改善の定義を明確にしましょう。業務改善の意味や、求められるようになった理由についてお話します。

業務改善とは

業務改善とは、業務の内容やフローなどを見直して、効率よく商品・サービスを提供できるようにすることを意味します。限りのある経営資源を効率的に活用できる状態を作るのが目的です。

代表的な経営資源として挙げられるのが「ヒト」「モノ」「カネ」の三つです。こうした、資源を無駄なく活用できる状態を目指すのが、業務改善の主眼です。経費削減や業務削減なども業務改善の一つといえます。

業務改善の必要性

現在は、生産年齢人口の減少が続いており、今後、増加の見込みもありません。生産年齢人口とは、生産活動を中心的に担う人口層のことであり、具体的には15歳以上65歳未満の人口が該当します。日本の労働力にそのまま直結しているといえる人口です。

さらに、働き方改革により労働時間の適正化が求められています。従来のような、労働時間を増やして労働力を補塡(ほてん)するようなことは原則としてできなくなりました。決められた労働時間内で密度の濃い業務を行わなければ、単純に処理している仕事量が減ってしまいます。

少ない人数、少ない時間で競合に対する競争優位性を獲得するためには、対策が必要です。そのため、業務時間を短縮しつつ生産性を向上させる取り組みとして、業務改善の必要性が叫ばれています。

業務改善により得られる効果

業務改善は多くの企業にとって求められる取り組みです。以下では、業務改善によって得られる具体的な効果をご紹介します。

業務の効率化

既存業務に存在していた無駄が是正されることで、作業の効率化が図れます。大切なのは、現状、無駄が顕在化していてなくても、業務の見直しを行うことです。現在の業務内容やフローで問題を感じていなくても、無駄が生じている可能性はあります。ゼロベースで業務を見直すことが大切です。

生産性の向上

業務効率化によって作業を短い時間で終えられるようになります。削減された時間を売り上げに直結する業務に当てることでさらなる生産性向上が見込めるでしょう。

コストの削減

業務の無駄をなくすことでコスト削減が図れるケースもあります。残業時間の短縮による残業代の減少などが代表例です。業務の効率化によるコストメリットと、業務効率化に取り組むための工数・費用のバランスが大切です。

働き方改革の推進

業務を効率化させることで、従業員の長時間労働の是正につながります。労働時間の超過が離職を招いていた場合は、定着率の向上が期待できるでしょう。また、ITツールを導入してリモートワークを可能にすることで、従業員の働き方を多様化できるため、働き方改革を実現するうえでは重要な取り組みといえます。

業務改善に役立つフレームワーク

業務改善に対して、やみくもに取り組むのは非効率です。ビジネスで広く普及している「フレームワーク」を利用してみましょう。「フレームワーク」とは、考え方のパターンをまとめたものです。業務改善につながるフレームワークも多数存在しています。以下では、実際に業務改善のために使える代表的なおすすめのフレームワークをご紹介します。

PDCAサイクル

PDCAサイクルは、業務の問題点を洗い出し、改善を繰り返していくためのフレームワークです。「PDCA」は、「計画(Plan)」「実行(Do)」「評価(Check)」「改善(Action)」の頭文字を取っています。これらのフローをサイクル化することで継続的な業務改善を可能にします。

PDCAサイクルは1回転をできるだけ短くすることが大切です。細かい改善を何度も繰り返すことにより無駄のない業務改善が可能になります。

BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)

BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)は業務プロセスをモデル図として描画する際の記法のことです。ISOによって標準化されており、最新のバージョンが2.0となっています。それまで、さまざまな描き方が採用されていた業務フローに関し、明確なルールを定めた国際的な基準です。

BPMNでは、業務プロセスのモデル図を「イベント」「アクティビティ」「ゲートウェイ」「シーケンスフロー」という基本の4要素を用いて可視化します。ルールを知っている人同士であれば誰が見ても同じ意味で伝わるため、業務プロセスの情報共有が容易になります。

ECRS(イクルス)

ECRSは「排除(Eliminate)」「統合(Combine)」「順序入れ替え(Rearrange)」「簡素化(Simplify)」を順番に実行する業務改善プロセスです。「イクルス」と呼ばれます。元来は生産現場で用いられていましたが、その応用性の高さから多くの現場で採用されています。

「排除」は、業務上の無駄を見つけて排除するプロセスです。その後、「統合」にて、似た業務をひとまとめにします。さらに効率化を目指して、業務の順序を見直すのが「順序入れ替え」のプロセスです。最後に「簡素化」で複雑化した業務をシンプルにすることでコストダウンを目指します。

KPT

KPTは「振り返り」を主軸とした、社内業務改善の方法です。「続けること(Keep)」「問題視されるためやめること(Problem)」「試してみること(Try)」で構成されています。「ケプト」が一般的な読み方です。

内容自体はシンプルながら、業務の問題点を把握できる優れたアイデアとして評価されています。問題点をチーム全体で共有できる点がメリットです。また、個人の業務改善フレームワークとしても利用できます。

ロジックツリー

ロジックツリーは枝分かれする樹木のように一つの要素を次々と分解して考えていくフレームワークです。ビジネスで使用されているフレームワークとしては歴史があり、長らく評価されています。

要素を展開する上のポイントは「MECE」を意識することです。「MECE」とは「Mutually」「Exclusive」「Collectively」「Exhaustive」の頭文字を取った略語であり、「漏れ・重複がないこと」を意味します。

業務改善の具体例

業務改善の具体例とそれぞれの取り組みによってもたらされる効果についてご紹介します。

マニュアル化

マニュアル化を行うことで、業務改善につながるケースがあります。

マニュアル化とは、業務の内容をテキストや図などで資料としてまとめること。主な目的は、業務の属人化回避です。マニュアルを読むことで、別の従業員でも一定の品質で作業を行えるようになります。また、業務を資料化する過程で、作業の無駄が判明し、効率化のきっかけになるケースも少なくありません。

従業員ごとの業務の偏りを防ぐ効果もあります。各従業員が同じ労働力として機能するため、メインの担当者が多忙な場合に、別の従業員がサポートに入ることも可能です。

自動化

自動化も一般的な業務改善です。

ITテクノロジーを利用し、人の手で行わなくてもよい作業を自動化することで業務効率化を図ることができます。データの入力、集計、リサーチ、システムの監視などは、現在の技術であれば十分に自動化可能な業務の範囲です。業務の自動化にはマクロやRPAツールが有用とされています。

業務の統廃合

業務全体を見直し、統廃合を行うことで業務改善を図ることができます。

複数の従業員が同じジャンルの作業をしていれば、一つにまとめたほうが効率的です。同じ部署内だけでなく、全社的に業務を統合することも検討しましょう。

無駄を排除する観点から、必要性が疑われる作業は思い切ってなくしてしまうのも一つの手です。業務の目的に沿って必要性を判断すると良いでしょう。

業務の外注

アウトソーシングを活用するのも効果的です。業務の一部を外注化することで自社従業員の作業時間を減らすことができ、コア業務に充てるリソースが生まれます。

システムの導入

必要に応じてシステムを導入することも効果的です。マンパワーだけでは不可能な業務改善を実現できます。

業務改善に役立つシステムの例として、ビジネスチャットツール、Web会議ツール、タスク管理ツール、ワークフローシステム、SFA・CRM、ERPシステムなどが挙げられます。提供されている製品にはそれぞれ特徴があるため、自社の課題に合わせてシステムを選ぶことが重要です。コスト面や運用のしやすさも考慮する必要があります。従業員が理解しやすい直感的なUIのツールを導入してシステム化を実施しましょう。

自社に明確なメリットをもたらす業務改善

業務改善の基礎知識と役立つフレームワークや具体例について紹介しました。自社の課題にあった手法で業務改善を実現しましょう。また、問題が顕在化していない場合も、業務を分析すると改善の余地が見つかるケースがあります。継続して業務改善していく姿勢を定着させることで、将来的には大きな生産性向上・効率化につながるはずです。

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