日本のデジタル化のランキングは世界何位? DXが遅れている理由とは

2000年の「IT革命」以降、私たちの生活のあらゆる面においてデジタル化が進んでいます。さらに、スマートフォンやタブレットといったパソコン以外のデバイスが登場したことによって、その流れはさらに加速しています。

では、デジタル化とは具体的にどのようなことを指し、近年、国によって推進されているDX(デジタルトランスフォーメーション)とは何が違うのでしょうか。実は、「デジタル化」と「DX」はひとくくりにされがちですが、目的が全く異なります。

今回は、デジタル化とDXの定義の違いなどの基本情報から、日本のデジタル化やDXにおける現状、さらにデジタル化が遅れることによる国と企業のリスクについて分かりやすく解説します。

デジタル化とDXとは?

デジタル化は2000年の「IT革命」以降、よく耳にするようになった言葉で、少し古いイメージがあるかもしれません。
一方、近年話題になっている「DX」は、デジタル化とは明確な区別があります。
まずは、デジタル化とDXの違いについて説明します。

デジタル化とは

デジタル化の意味合いは諸説ありますが、基本的な概念は「デジタル技術を用いて事業をより良くすること」です。

さらにデジタル化は、既存のワークフローなどのデジタル変換という意味合いと、デジタルによって新しい価値を生み出すことに細分化できます。ペーパーレス化が前者の代表的な例で、ビッグデータの活用が後者の代表的な例といえるでしょう。

DXとは

経済産業省が発行した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推奨ガイドライン)」では、DXは次のように定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

「デジタル技術を用いて事業をより良くすること」という意味では、DXはデジタル化と同じだと考える人もいるかもしれません。しかし、DXは「業態・ビジネスモデル」の転換であり、単にデジタル技術を用いることだけにとどまりません。

例えば、これまで紙ベースで管理していたデータを電子データに置き換え、パソコンの共有フォルダーで管理するのは「デジタル化」です。「DX」は、その電子データにリアルタイムの情報を多拠点から入力できるような仕組みを作り出すことで業務改善に役立て、ひいては生産性や業績の向上までつなげられます。

DXを実現するためには、デジタル化の二つの視点による取り組みが必要不可欠といえるでしょう。

日本のデジタル競争力は世界27位

2021年9月1日、組織の縦割りを排除し、日本全体のデジタル化を主導することを目的とした「デジタル庁」が創設されました。その背景には、日本が世界のデジタル競争力において大きな後れを取っていることが挙げられます。

ここでは、日本のデジタル競争力の現状について説明します。

日本のデジタル化は世界的には遅れている

スイスの国際経営開発研究所が発表した「世界デジタル競争力ランキング2020」によると、中国や韓国が順位を上げるなか、日本は27位と、前年の調査から4ランクダウンという結果になっています。

この現状が、日本の「デジタル庁」発足を後押しする一因となったことは言うまでもありません。今こそ、官民一体となった長期戦略のデジタル化が必要不可欠なのです。

デジタル競争力の低下につながる原因

人材の国際経験とデジタル技術・スキル

コロナ禍において、マスク不足の混乱を一気に解消した台湾政府の施策は記憶に新しいでしょう。台湾のIT担当大臣である唐鳳(オードリー・タン)氏が先導し、マスクの在庫状況が一目で分かる「マスクマップ」と呼ばれるシステムをわずか数日で完成させました。

日本のデジタル競争力が遅れている一因として、唐鳳氏のような国際的なデジタル技術やスキルを持った人材の不足が挙げられます。

ビッグデータの活用機会の少なさ

米調査会社ガートナーが日本国内の企業を対象に実施した「企業におけるデータ活用に関する調査」によると、全社的、もしくは一部の事業・組織でデータを利活用していると回答した企業は全体の半数を超えましたが、「データの利活用からビジネス成果を十分に得ている」と回答した企業はわずか3%にとどまるという結果になりました。

このように、ビッグデータをうまく活用できていないという実態が、デジタル競争力の低下につながっていきます。

企業のフットワークの重さ

デジタル化に対して企業のフットワークが重くなる原因の一つが、デジタル化に対する経営者の理解不足です。デジタル化を推進していく立場であるはずの経営者の理解が追い付かず、結果的に企業全体のフットワークが重くなってしまいます。

デジタル化が遅れることによる国と企業のリスク

経済産業省が発表した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』の中で、デジタル化が遅れることによる国と企業のリスクについて言及されています。

ここでは、「2025年の崖」について理解を深め、デジタル化が遅れると具体的にどのような弊害が生まれるのかを考えます。

2025年の崖

「2025年の崖」とは、企業のレガシーシステムによるグローバル競争力の低下を指します。「レガシーシステム」とは、老朽化・複雑化・ブラックボックス化している既存の基幹業務システムのことで、このままの運用体制が続いた場合、2025~30年で最大12兆円の経済損失が生じると試算されています。

また、2025年時点で21年以上稼働しているレガシーシステムが全体の6割を占めることになるため、早急な刷新に迫られています。

ITのガラパゴスによる機会損失とコスト増

これまで、日本のIT業界は、企業が自社で開発した独自のシステムを中心に発達してきました。その結果、世界のITシステムの標準との乖離(かいり)が発生し、日本のITは「ガラパゴスIT」などと呼ばれ、コストが高く、汎用(はんよう)性が低いという認識が広まってしまいました。

日本のIT企業は、時間とお金をかけて品質にこだわったシステムをゼロから開発することを重視してきました。一方、海外のIT企業では、既存の製品やテンプレートをうまく活用し、コストを抑えながら実用レベルのシステムをスピーディーに開発することが優先されています。

そのため、同じ機能の製品を開発しても、日本のIT企業のシステムはコストとスピード感という点で、海外の競合他社に負けてしまうのです。これが業界のみならず、国全体として大きな機会損失につながっています。

BCP(事業継続計画)の遅れ

デジタル化が遅れますと、「BCP」の実現が難しくなるというリスクが増えます。「BCP」は日本語で「事業継続計画」と訳され、災害などの緊急事態が発生した際に企業の被害を最小限にとどめ、事業を継続させて復旧を図るための計画を指します。

新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、テレワークへの切り替えを求められた際に対応できない企業があったことは、「BCPの遅れ」の典型的な例です。

日本では今後、災害が増えると予想されています。予期せぬ事態に対応するための仕組み作りが喫緊の課題といえるでしょう。

デジタル化を「スピーディーに」進めることの重要性

世界では今、デジタル化がかつてないスピードで進んでいます。少しずつペーパーレス化を進めるといった小手先の対応では、国が掲げる「組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立する」という状況にたどり着くまでに相当な時間を要してしまいます。

デジタル化やDXを加速させるためには、組織を挙げて取り組むことが大切です。まずは経営者や経営に携わる立場の人が、デジタル化やDXに関する理解を深めてプロジェクトを立ち上げ、場合によっては外部から専門家を招くなどして具体的な計画を立てていきましょう。

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