送料は売上に含めるのか？

今回は、送料は売上に含めるのかどうかについてご紹介します。

送料は売上に含めるのか？

株式会社大塚商会
首都圏ソリューショングループ
ASCアパレル・旅行SPソリューション課
依田裕二

新システムの入れ替えに伴う打ち合わせをしていますと、送料をお客様から徴収する際に「売上に含めるのか？」「経費にするのか？」と質問をいただくことがあります。卸売業のお客様の場合は、送料は自社負担にするケースが多いですが、ECを展開しているお客様の場合は、顧客負担にするケースがよくあります。

経費で処理をする場合

EC売上の会計処理

ECショップで、5,000円（送料を含む）の売上が口座振込され、このうち送料を一律500円で徴収している場合、以下のような仕訳になります。

勘定科目	借方	勘定科目	貸方
普通預金	5,000	売上	4,500
		立替金	500

一般的には、お客様から送料を預かっているため、立替金（預り金）の勘定科目を利用します。

送料の支払い

商品を発送した際、実際の送料が500円ではなく400円だった場合、以下のような仕訳になります。

勘定科目	借方	勘定科目	貸方
立替金	500	普通預金	400
		雑収入	100

お客様から預かっていた立替金（預り金）と実際の送料との差額は、雑収入や雑損失の勘定科目を利用します。ただ、実際の送料は運送会社からの請求によって分かったり、商品のサイズによって違ったりするケースもあり煩雑な作業にはなりますが、売上に運賃を含めないようにするのが厳密なやり方になります。

売上で処理をする場合

EC売上の会計処理

ECショップで、5,000円（送料を含む）の売上が口座振込され、このうち送料を一律500円で徴収している場合、以下のような仕訳になります。

勘定科目	借方	勘定科目	貸方
普通預金	5,000	売上	5,000

会計上は全て売上で計上します。

送料の支払い

運送会社から請求があり400円の支払いをした場合

勘定科目	借方	勘定科目	貸方
荷造り運賃	400	普通預金	400

ビジネスでは、会計処理をできるだけ簡単にするのが基本であり、利益や経費の金額に間違いがなければ厳密さを求められることはありません。そのため、多くの会社で「送料を売上に含める」というかたちを採っています。送料が売上に含まれたとしても、最終的な経費・利益・税額（法人税や消費税）は変わりません。利益や税額のどれにも変化がない以上、送料を売上に含めても問題はないようです。

【参考】「送料は売上に含める？仕入れは？経費化・仕訳の方法や勘定科目を解説 | 中小企業経営者向けの節税方法│節税ラボ（finance-shikin.com）」より引用

基幹システムでの販売・会計連携時の注意点について

販売管理システムから会計システムへ連携する場合、販売管理の売上処理では、送料の商品コードで売上計上しますが、会計連携時に立替金や荷造り運賃の勘定科目で仕訳連携をしますと、販売管理上は売上高に含まれているため、会計側の売上高と一致しない可能性があります。一般的な販売管理システムでは、送料を売上とみなすシステムもあるため、会計連携時には、販売・会計の送料や梱包（こんぽう）資材の扱いを確認し、正しく計上できるか確認をする必要があります。

[SE]2023年9月21日

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