第67回 設計部門BOM改善コンサルの現場から~その5~ 「プロジェクト・メンバーの選任」はどのようにすべきか?

コンサル相談事の筆頭に挙げられる「プロジェクト(PJ)メンバーは誰にすべきでしょうか?」の問いに対して、必ずお願いする条件は「次期経営陣候補を選任してください」です。しかし、この候補選択が出来なかったり、認識が経営層間で異なっていたり、右往左往したりする場合があります。そもそも、その内実にはいろいろな問題が隠されています。

設計部門BOM改善コンサルの現場から~その5~ 「プロジェクト・メンバーの選任」はどのようにすべきか?

観測史上10番目に早い真夏日到来で、邪道と言われようがホッピーについつい氷を入れたくなります。今夏の暑さが思いやられます。

プロジェクト(PJ)メンバーは喜び組になっていますか?

お預かりする製造業は、「これが創業以来、初めてのプロジェクト(以下、PJ)メンバー選任です」などということは無く、ここに至るまでも多くのPJが組織された経緯が例外なくあります。そして異口同音に「今までいくつものPJが組織されて、そして知らぬ間に無くなっていました」と聞かされます。何か事を起こす度に経営層は「よし! PJを立ち上げよう」とやるわけです。

PJ乱立の憂き目を見るのは選任されたスタッフです。「私、PJ三つ掛け持ち」、「おいおい俺なんか五つだぜ!!」という会話が聞こえてきます。前回コラムにも述べましたが、今日の糧vs明日の糧のマネジメントができていないPJへの参加は全て今日の糧(現業)に加えた新たな負担になりますから、「PJに選任されること=超多忙になること」と直結します。

いくら経営層から「このPJには君の力が必要だ! よろしく頼む!」と言われても「もう勘弁してください!」となるわけです。そして最後には「おーラッキー! 今回はPJメンバーに選ばれなかった!!」という結末です。
「PJ=余計な仕事=報われない仕事」とスタッフは体験から関連付けてしまうのです。

このような幼児体験が染み付いてしまったスタッフの行動転換は並大抵ではありません。設計部門改革という本丸を担うメンバーがこのような意識で上手く運営できるはずもなく、したがって、私もまずはこの意識改革から始めなければなりません。

少なくとも設計部門改革PJメンバーは「選ばれしスタッフ」という『ステータス』の基に召集されるべきであり、多くの社員からしても「尊敬や羨望」という言葉を背景に存在すべきものなのです。そうです、「選ばれし喜び組」であるべきなのです。

では、この地に落ちたPJメンバーのイメージをどのように高めて行くのでしょうか? どのように『ステータス』を見える物にしていくのでしょうか?

トップダウン・ボトムアップのところでも述べましたが、私が「改革PJの保証人」となります。第三者としての改革PJへの債務保証です。「大丈夫です! 谷口の目が黒いうちはこの改革PJは遂行させ、達成の暁には経営層にリワードを進言します。そして誰も二階に登って梯子を外されたり、詰め腹切らされたりはしません」という感覚です。
何か、大変悲しく、辛いのですが、そのようなところから始めなくてはならない場合も多いのです。

次期経営層候補者は居ますか? 認識は同じですか?

もう一つの大切な要件は「必ず次期経営層候補を選任してください」です。
次期経営者候補ですから次期社長や経営陣への可能性が高いスタッフであり、人事案件としては最重要項目のはず。

が、しかし……
私から条件を提示され、「誰にするかーーー?」から始まり「彼は良いだの、彼は駄目だの」まで……
思わず「御社大丈夫ですか??」と口を突いて出てしまう実際があります。

一番困るケースは、社長の「色メガネ」も甚だしく、正しい評価無しに、社長「お気に入り」スタッフでは「伸び代」も無く、このようなスタッフを選任されてもPJのお荷物になるばかりです。

一方、オーナー系会社では世継ぎ問題も絡んで複雑にはなりますが、それでも、せめて世継ぎの「右腕」になるスタッフの選択は誤ってはいけません。

PJメンバー選任という改革PJ進捗の手前でさえ、これだけの試行錯誤……というより、すったもんだ(?)が起こるのです。

社員は「人財」などと持ち上げてはいるものの、案外、人材が正しく評価されていない実態をこのような局面から垣間見ることになります。

スッと、PJメンバー候補の選任ができる会社は改革達成や進捗の度合いも良く「人を見る目と育てる力」の有無は経営力と直結していると考えています。ところで、御社はスッとPJメンバー候補が選任できますか?

次回は7月7日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 本部SI統括部 製造SPグループ コンサルタント

谷口 潤

開発設計製造会社に入社以来、設計開発部部長、企画・営業部部長などを経て、米国設計・生産現地法人の経営、海外企業とのプロジェクト運営、新規事業開拓に携わる。その後、独・米国系通信機器関連企業の日本現地法人の代表取締役社長就任。現業に至る。

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