第29回 自らが上流部門改革への宣教師と成る

今回は、先日開催された「神奈川ITキャラバン2014」での小生の研修会での気づきや思いを伝えたいと思います。
当研修会は、中小企業情報推進化事業の一環として、公益財団法人神奈川産業振興センター(KIP)が主催され、弊社がその遂行を請け負わせて頂いたものとなります。

名前の通り神奈川県に在る中小中堅企業を対象とした研修会で、中小企業向けIT化優遇税制や設備投資補助金制度というハード投資促進と相まって「人つくり」を主旨とする事業です。
このような公的資金注入の機会が増えていることは中小製造業にとっては足腰を強くする好機だと思います。是非、有効活用を考えて下さい。
何より、貴重な利益から支払った税金の還流なのですから。

さて、その研修会の中で、小生は以下のテーマで全二日間を行いました。

メインテーマ:上流側の業務改善を実行して全体効率を改善する
副題:流用化・標準化設計と情報の整流化を実現させて人材育成を実行する

参加された方は、経営幹部層の方や次期経営者候補の方々。
カリキュラムは、以下の通りです。

1.自己紹介と到達目標
 1)プレゼンテーション力を考える

2.上流側・下流側に存在する「壁」の認識

3.上流側改革の実行
 1)設計部門の5Sから始まる流用化・標準化設計
 2)BOMの構築
 3)モチベーション・プランニング
 4)設計効率の維持・設計効率の充・放電

4.下流側の改善テーマ
 1)5S・カイゼンで終わらせない、その続きとは
 2)シングルE-BOM・マルチM-BOM
 3)全方位受注と自社M-BOM

5.「壁」を取り払う為の改善テーマ
 1)真のチームワーク・ものつくりを目指す
 2)部門間ジョブローテーションと人材育成
 - グローバル化や次期経営層に向けて

6.一気通貫による設計情報の整流

7.ふり返り

内容の詳細説明は紙面の都合上省きますが、研修会としての到達目標は「設計部門を主体とする上流部門改革推進プロジェクト(PJ)のメンバーとしての遂行能力の確保」です。

座学だけでは無く徹底したプレゼンテーションの実行で「学びと発信」双方の重要性を認識してもらえる研修としました。
特に「改革への宣教師と成ろう!」というイメージを共有してPJ内部ばかりでなく会社全体への改革の必要性を訴求しモチベーションを創生・維持する事の重要性も合わせて認識してもらう機会としました。

研修会を始めてみると参加各位の意識は高く、それだけに問題解決への内圧の高まりを感じました。
「何とかしないとやばいぞ!でもどうやって?」という感触です。

それぞれ、個人、部門各々に問題意識は存在するものの、「一元化できない」、「総論賛成各論反対になってしまう」、「問題提起はするが解決案の実行をしない/できない」、「経営層との整合が取れない」、等々・・・。

これらの問題の背景要因がそう単純ではないことは皆さんにも想像してもらえると思いますが、主要三つにまとめると以下のようになります。

1:会社存続の危機という経営的最優先課題になっていない(中長期計画にもなっていない)
2:改革している「暇」などとても無い
3:現場のモチベーションを高めることができない

いずれにせよ、会社のトップが上流改革の必然性をしっかり認識していれば、各社それぞれの具体活動が始まっている訳です。
しかし、活動が始まらないということは、やはりトップの躊躇(ちゅうちょ)や不理解に始まり、設計部門を改革するという「ちゃぶ台返し」に恐れを抱き、見て見ぬ振りの結果でもある訳です。

このような孤独な(?)中小製造業経営トップの背中を押せるスタッフが存在するか否かが、会社の将来を左右します。
強いボトムアップからトップダウンを導き出すという行動は、大企業ではマネできない大切な中小企業的プロセスだと思います。
ですから中小企業は人材の優劣が業績に極端に表れるのだと思います。

構成人員が少ないから、たまたま「中小」なのか、少数精鋭を目指すための「中小」なのか?この差はとても大きいと参加者の高い意識を垣間見ながら、改めて感じさせられた研修会でした。

次回は5月9日(金)の更新予定です。

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部品構成表管理システム 生産革新 Bom-jin

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この記事の著者

株式会社大塚商会 本部SI統括部 製造SPグループ コンサルタント

谷口 潤

開発設計製造会社に入社以来、設計開発部部長、企画・営業部部長などを経て、米国設計・生産現地法人の経営、海外企業とのプロジェクト運営、新規事業開拓に携わる。その後、独・米国系通信機器関連企業の日本現地法人の代表取締役社長就任。現業に至る。

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