第86回 設計部門BOM改善コンサルの現場から~年頭版~2019年年頭にあたって考えること「海外設計者のリクルート」はいかに?

元号が変わる今年ですが、日本の中小・中堅製造業には、設計部門改革が最も喫緊な課題として存在します。少子化も手伝って、設計者人口は漸減し、「設計者の三ない」=「設計者が来ない、育たない、育てられない」がますます助長されていきます。一方、経営層もいろいろな施策を考えて、設計者の掘り起こしを試みています。その具体例が海外設計者のリクルートです。

設計部門BOM改善コンサルの現場から~年頭版~2019年年頭にあたって考えること「海外設計者のリクルート」はいかに?

謹賀新年
朝ホッピー、昼ホッピー、夜ホッピーを一週間、自己嫌悪に陥らずに、正々堂々(ん??)でいられるお正月です。本年もホッピーと金宮をこよなく愛していきたいと思っています。
重ねて、変わらぬ本コラムへの愛読もお願いいたします。

2019年も設計部門の普遍的問題は相変わらず中小・中堅製造業を苦しめる

2019年も設計部門問題の二大テーマである「設計工数の限界が売り上げの限界」と「設計者の三ない(設計者が来ない・育たない・育てられない)」が喫緊の課題として経営層に迫ります。
特に「設計者の三ない」は少子化という社会的現象もあって、ますます状況を悪くしていくことを見通さねばなりません。
新卒の設計者が中小・中堅製造業の門戸を叩く可能性を今後見込めるのか否か……。
楽観は許されない領域に入りつつあると思います。
冷静に今後の設計部門の行く末を考えてみましょう。

設計部門人数は放置すればそのまま自然減です。ますます設計工数は逼迫します。派遣社員や外注設計への過依存にも限界があり、ましてやそれら外部設計リソースにも人員減の荒波は押し寄せて依存さえ厳しくなってくるでしょう。

一方、企業としては成長を求められるわけで、そのためには設計工数増とその確保が必須となります。
設計部門人数減と設計工数需要増加、この矛盾をどの様に解決するのか?
ここには解決への必須項目として二つをまずは考えるべきでしょう。

  1. 最低限の設計部門人数を現状維持する = 減少させない
  2. 流用化・標準化プラットフォームを構築して設計効率を良くして、設計工数を確保する

2項はITの力を獲得して実現することになります。具体的には本コラムで何度も述べているので理解してもらえるでしょう。

問題は1項です。
減少させないためにはどうしても人材リソースを発掘して、人材採用して供給していくことが求められます。
中途採用も選択肢としてありますが、新卒同様社会環境がその望みを希薄にします。
では、人材リソースをどこに求めるのか……?

海外設計者のリクルートを考える

私にも製造業の経営層を担う友人が多くいます。
彼らの海外に出かける目的が最近変化しています。
その目的の多くは海外設計者のリクルート活動になっているのです。

ガイジン設計者を新たな人材リソースとして開拓しはじめているのです。昨年、国会を賑わした国外人材の雇用条件緩和の法律も後押ししていることは事実でしょう。
未だ具体的な採用に至らずも、現地の人財リクルーターとの関係構築や取引条件設定等も含めて地ならしを始めているのです。

国別の設計者としての評価もいろいろ聞こえてきますが、一般論として以下のように認識しています。

韓国:財閥系大手に入社できなかった人材が優秀で即戦力化が望める。
   かつ日本の大学出身者も多く、その場合日本語堪能。年収条件は日本人と同等。

フィリピン:工科系大学出身者は有能。年収条件は比較的安価。コミュニケーションは英語。

インド:IT系では日本人より優秀な場合も。既に日本企業では積極採用している場合も多く、
    その影響もあって年収条件は比較的高額。コミュニケーションは英語。

ベトナムやミャンマー等開発途上国の新卒に関しては玉石混交といった感じです。

外国人設計者採用へのリスクを考えると細々ありますが、大きく三つでしょう。

  1. 今後の在留に関わる法律改正に関わって来ますが、長期(永住)労働を期待できるか否か
  2. ノウハウ流出(性悪説に立つ必要性はあるでしょう)
  3. コミュニケーション(その前に日本人同士でしっかりコミュニケーションできていますか? というイヤミはあえて申しませんが……)

1項は法律改正の動向に委ねられますので断言はできませんが、少なくとも条件緩和へ移行せざるを得ないと私は考えています。

2項は多くの経営層が憂慮している部分ではないでしょうか。たしかに一昔前の紙文化設計のときはゴッソリ根こそぎ図面を持ち出されたという話は聞いたことがありましたし、日本人設計者がそのようなことを行っていた時代もありました。最近はITセキュリティに関わる意識もしっかり存在し、USBメモリーでチョイと設計成果物を抜き取ることもできませんし、PC監視アプリも充実しています。しかるべきシステムを構築すれば、根こそぎ持って行かれるということは防止できる環境が整っていると思います。

3項。これは好機と考えるべきでしょう。グローバル化を無視しての日本の製造業の将来は無いと考えています。設計者、それも優れた技量を持つべき設計者が英語でコミュニケーションできないこと自体が能力の欠如として考え、指導すべきでしょうし、教育の機会も提供すべきでしょう。「設計部門は英語が標準語」を目指したいものです。

宣伝となってしまいますが、2月から弊社最大の催ことである実践ソリューションフェアが始まります。
私もセミナーを構えて、今回話題にしたテーマも含めて聴講されるお客様に情報提供させていただきたいと考えております。
詳細は下記に記しますので、ぜひのご来場をお待ちします。

次回は2月1日(金)の更新予定です。

大塚商会 実践ソリューションフェア2019での谷口潤BOMセミナーご案内

毎年恒例の「大塚商会 実践ソリューションフェア2019」の東京・大阪・名古屋会場にて、下記セミナーを開催します。

中堅・中小製造業の設計部門「働き方改革」とは!?
BOM構築から始める設計効率改善

設計の人材が来ない・育たない・育てられない現実や、部品調達の長期化と短納期とのジレンマを抱える中小製造業の設計部門。その状況打破には、「働き方改革」と「設計効率改善」の同時実現が必要です。改革・改善の具体的な手法を実例とともにご紹介します。

セミナー開催日時は以下となりますので、ぜひご参加、お待ちしております。

<東京会場> 2019年2月6日(水)~8日(金) ザ・プリンス パークタワー東京
谷口潤BOMセミナー : 2月6日(水)15:45-17:15(90分)

<大阪会場> 2019年2月14日(木)~15日(金) グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)
谷口潤BOMセミナー : 2月15日(金)15:50-17:20(90分)

<名古屋会場> 2019年2月20日(水)~21日(木) ヒルトン名古屋
谷口潤BOMセミナー : 2月21日(木)15:50-17:20(90分)

大塚商会 実践ソリューションフェア2019

ご案内

書籍

当コラムをまとめた書籍『中小企業だからこそできる BOMで会社の利益体質を改善しよう!』を日刊工業新聞社から出版しています。
BOM構築によって中小企業が強い企業に生まれ変わる具体策とコツをご提案しています。

Nikkan book Store(日刊工業新聞社)
中小企業だからこそできるBOMで会社の利益体質を改善しよう!(日刊工業新聞社Webサイト)

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部品構成表管理システム 生産革新 Bom-jin

製品原価の80%は設計段階で決定されます。「生産革新 Bom-jin」は生産管理とのデータ連携を重視し、設計技術部門の図面・技術情報などの設計資産を「品目台帳」で管理。部門内の設計ルールを統一し、標準化と流用化を実現します。また、生産管理システム「生産革新 Raijin SMILE V」と連携し、生産部門との双方向連携による真の一気通貫で、コスト削減・納期短縮・生産効率の向上を実現します。

ハイブリッド型生産管理システム 生産革新 Raijin SMILE V

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この記事の著者

株式会社大塚商会 本部SI統括部 製造SPグループ コンサルタント

谷口 潤

開発設計製造会社に入社以来、設計開発部部長、企画・営業部部長などを経て、米国設計・生産現地法人の経営、海外企業とのプロジェクト運営、新規事業開拓に携わる。その後、独・米国系通信機器関連企業の日本現地法人の代表取締役社長就任。現業に至る。

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