ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第32回 続・本を出すということ
「BOMで会社の利益体質を改善しよう!」が日刊工業新聞社より刊行されました。
実際の感想は・・・生みの苦しみとまでは行かないまでも、多くの方々に読まれることを考えると、放った一字一句に未練が残ります。
本を出すことを上梓と言いますが、いわれは枝に文字を刻む事からとのこと、正直、活字にして刻む事への「恐れ」と戦いながらの執筆でした。
さらに、日刊工業の編集責任者の「執拗?」な拘りは、小生の脆弱な心を折るには十分でした。(笑)
しかし、この「拘り」こそプロの編集者の存在意義であったと今は思えます。
編集責任者の普段の「ユルイ風貌(失礼)」を知っているだけに、その「キツイ拘り」とのコントラストにオロオロするばかりでした。
「何故、こんな些細な表現にこだわるの?何故、こんな大事な所を省くの?」と、まあ、こんな葛藤の連続でした。
しかし、174ページという連続した文字列の起承転結を彼は全て覚えていて、そう、音楽でいえばフォルテッシモからピアニッシモまでの文書というか内容の抑揚というダイナミックレンジを確保する為の「拘り」でした。
この「拘り」こそ「読み物」としてアナログの人間様に受け入れ易い形に整える作業なのだと気づいたのです。
文字というある意味、無機質な記号をその順列組合せによって文章という形にする。
それをアナログの人間様は「読む」という作業から、その整え方によって共感したり、感動したり、さらに知識として蓄えたりする。
したがってその「整え方」がこの本の価値を大きく左右するのだと思えて来たのです。
普段、このようなことなど考えた事も無かったのですが、執筆体験しない限り、この「気づき」は得られずに、この世を終えるところでした。
本当に貴重な体験でした。赤いチャンチャンコをまといながらの執筆活動でしたから、できればもうチョイと若い時に体験できたら・・・などと贅沢を思っていますが、チョット大げさに言えば人生の新たな扉が開けたような気さえします。
「年齢に関わりなく新たな扉への挑戦!」などとコンサルの小生は口にはしますが、言うは易し!それこそ自力では踏み出す事さえできなかった小生ですが、多くの方々の他力に背中を押してもらい、挑戦させて頂くことができました。
改めて愛読者の皆様有難うございました!
既に小生の所には知人からの感想レスが入ってきています。
リップサービスも多分に含んでの感想であるかもしれませんが・・・
「早速、読ませていただきました。数々とご指導を受けたおかげもありまして、すぅーと腹に落ちてとても楽しく読むことができました。谷口さんの人柄も出てくるようでした。改めてE-BOMの重要性を再認識するとともに、これは是非ともM-BOMにつなげていこうという思いを新たにしました。弊社製品は一応「全方位受注」で、一見フロントローディングかと思ったのですが、付加価値の源泉を最上位側にもってくるという発想は
これからですね。保守部品・パーツ部品は「商品」であるという考え方は、まだまだ営業・工場員とも乏しいです。シングルE-BOM・マルチM-BOMという考え方には、手をたたきました。なるほどと。」
これは弊社のBOM構成管理システムを導入して頂いた会社の社長様からの感想です。
このような率直な感想を頂ける事こそ、執筆にそれなりに汗をかいた事へのご褒美と解釈しています。
さらに旧友からは・・・
「大塚商会がこんな事やっているなんて知らなかった。でかい文房具屋だと思っていた」
これも「そうです大塚商会はやっているのです!」と言いたかった、伝えたかった、この本からのメッセージなのです。
製造SPという中小製造業に特化した組織の存在と所持するノウハウ・ソリューションの豊かさ。そして「真の一気通貫」という他社との決定的な差別化ソリューション。
これらの市場認識の啓蒙にこの本が少しでも役立てば本当にうれしく思います。
このコラムもまた新たな切り口で展開を図るつもりです。
引き続き愛読をお願いします。
次回は8月1日(金)の更新予定です。
★☆ 「BOMで会社の利益体質を改善しよう!」 発刊のお知らせ ☆★
本文でも触れられた本コラムの書籍は、Nikkan Book Store(日刊工業新聞社)からお求めいただけます。
Nikkan Book Store(日刊工業新聞社様 Webサイト)
■本書の主な構成
プロローグ:なぜ今、中小製造業でBOMなのか
PART 1:プロジェクトチームを発足させる
PART 2:最初にやるべき「図面整理」
PART 3:BOMの命は品目コードと運用ルール
PART 4:M-BOMの構築で全方位受注を可能にしよう
PART 5:失敗事例
PART 6:成功事例
PART 7:世界市場で活躍できる中小企業となるために
PART 8:BOMで一気通貫力のある社員を育てる
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