第47回 「設計者を育てる」ということ その5

-流用化・標準化設計プラットフォームを考える-

さて、流用化・標準化設計プラットフォームの理解を図るために文章をしたためてきましたが、いよいよ今回はそのまとめとしてイメージ図を作りましたのでご覧いただきましょう。流用化・標準化プラットフォームをより深く理解していただければと思っています。

まずは、イメージ図を見てください。キーワードも書き込みましたのでサクッと読めると思います。

解説しましょう。プラットフォームの構造は……下から「資産層」そのうえに「機能層」そして一番うえに設計者が乗っています。

それでは、各層の説明をしましょう。

基礎となる「資産層」

これは、まぎれもなく皆様の会社に存在する「過去設計資産」です。もちろん、前回も話をした2Sされた設計資産群のことです。そして、新たに生み出されたE-BOM、それによって下流側から還流してきたM-BOM。時間が経過した後には流用・標準部品、ユニット群が新たな設計資産として「蓄積」されていくことになります。蓄積されると言っても資産の「量」を求めるのではなく、「質」が求められます。この「質」を高めていくことが設計成果物の品質に直結することになるのです。どうやって設計資産を磨いて「質」を高めていくのか? せっかく2Sをした資産を死産にしてしまわない工夫、それが流用化・標準化プラットフォームを持続可能にしていくための肝なのです。

設計を支援する「機能層」

ここはいわゆるITという今時のツールとしての機能がその主体です。
設計者がこの機能層を通して「資産層」のあらゆる設計資産を検索し、取得して、技術検討、判断しながら新たな設計資産を生み出していくことになります。まずは、「探す・見つける」の時間をいかに撲滅できるか。検索機能の優劣は大切です。ただし、その優劣を決定するのは検索キーとなる「属性」の決定であることは何度も述べているところです。新規開発設計でない限り、何らかの設計資産を流用してそれらの組み合わせで仕様を満足させていくことになると思います。今までの蛸壺設計では蛸壺の中にある設計資産からの流用でしたが、今後は設計資産層に存在する全ての設計成果物から、つまり、より多くの選択肢から最も適したものを流用できるようになります。E-BOMの新規構築、再構築、親子関係の試行錯誤等紙上検討では難しい作業もITが支援してくれます。さらに、設計(設変)の履歴やその変遷のトレース等、部品・ユニットの家系図は設計判断の補助情報として設計者を支援します。
そして、設計成果物を下流側(生産側)に整流化して「連携する機能」は全社効率を高めていくために必須です。通常の出図のみならずBOM構築もままならない場合の「例外出図」も上手く下流側の生産管理システムに設計成果物を連携可能とする能力が必要です。これらは下流側で無駄な部品や工数を発生させないという結果から全社効率を高めることに寄与します。最後に最も重要な「機能層」の役目として「流用化・標準化設計ルール」を維持管理することです。ルールを作ることは簡単ですが、それを維持管理する難しさは理解してもらえると思います。設計者という羊さんがプラットフォームから出て行かないように、この機能層が「柵」を設けてくれるのです。ITが二度と蛸壺設計に戻らないようにマネージメントしてくれるわけです。

いかがでしょうか?
流用化・標準化設計プラットフォームという具体的な存在をイメージから一歩進んで感じて、理解していただけたでしょうか? この仕組が流用化・標準化設計という設計部門改革に必須であることが理解、納得いただけたならば嬉しく思います。

次回は11月6日(金)の更新予定です。

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