第76回 設計部門BOM改善コンサルの現場から~番外編~ 中小・中堅製造業の設計部門の働き方改革を訴求してみました@実践ソリューションフェア

弊社最大の催事となる実践ソリューションフェアのセミナーにおいて、設計部門の働き方改革をテーマに私なりの視点で訴求を開始しました。東京・大阪・名古屋の3大都市圏を終えて聴講された方々から直接頂いた感想や意見を基に、本セミナーの肝となる「訴求の原点」を再度まとめてみました。本セミナーのインターネット放送も2018年3月下旬に予定されていることから、その視聴のお誘いもあわせての今月号です。

中小・中堅製造業の設計部門の働き方改革を訴求してみました@実践ソリューションフェア

「春は名のみの風の寒さや……」まさに早春賦の歌いだしそのままの昨今です。インフルエンザもいまだに猛威をふるっています。ご自愛ください。そのような中でも春の淡い日差しがテラスに置いてあるホッピーのガラス瓶を温かく照らしています。「はーるよ来い~、はーやく来い~」

設計部門の働き方改革をセミナーで訴求してみました

1:流用化・標準化設計への移行を目指し、まずはBOMを構築して設計部門の設計効率の改善にチャレンジする

 ↓

2:具体的な仕組みとして流用化・標準化設計プラットフォームの構築を行う

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3:流用化・標準化設計プラットフォームを軸に設計部門の働き改革としての在宅勤務を実現する

このような3ステップを基本に訴求展開しているわけですが、詳しくは本コラム第74回、第75回をもう一度読み返してください。

第74回 中小製造業・設計部門の「働き方改革」とは? Part1(ERPナビ)

第75回 中小製造業・設計部門の「働き方改革」とは? Part2(ERPナビ)

どういうタイミングか分かりませんが、今国会での論戦で「自己裁量労働」にスポットライトが当たっています。
私の訴求の原点にはそもそも論として「設計という仕事には自己裁量労働が最も適している」という考えが存在しています。

「設計者のマインドセットは?」と問われれば「寝ても覚めても」だと思っています。つまりタイムカードで9時~5時という拘束時間で縛られても設計という業務の効率は上がらないと考えています。

何度か話題にしたと思いますが、設計というお仕事は実に因果応報です。自分で設計した結果の不具合を自分で解決する……まさに自業自得を絵に描いたような商売です。従って、その不具合が解決するまで、必ず頭のどこかに引っ掛かっており、必然的に、その不具合解消のために「寝ても覚めても」ということになるわけです。

「考えたいときに考えたいし、考えたくないときには考えたくない」という性の存在には共感してもらえるのではないでしょうか。この性を端的に表現すれば「自己裁量労働」ということになります。

そして、この延長線上には「成果主義」という働き方に対する評価方法が存在し、技量のある設計者はこれを自然に受け入れられるようになります。成果主義となれば報酬のカタチは「年俸」となり、残業手当という設計(才能)のでき不できとは相関の薄い「お手当」から距離を置くことができます。

私が設計部門を預かっていたときは入社4年目から年俸制としていました。その制度に踏み切った最大の理由は拘束時間で報酬を払うこと自体、設計者から「効率を高めるというモチベーションを奪い去る」と思ったからです。8時間でできる設計を10時間でやった方が年収が上がる。不具合を起こさない設計より、不具合だらけで、その解決に時間を費やす設計者の方が年収が上がる。ここに許しがたい矛盾を感じていたからです。

ましてや、設計者自身に対して働き方のあるべき姿を歪めて理解させてしまう結果をもたらし、せっかくの才能も開花させられないという現実も見てきたからです。そうです、拘束時間評価の残業手当は設計者自身を駄目にしていくのではないかと考えます。

セミナー聴講者からの質問で「4年目に有無を言わさず成果主義の仕組みに組み込んでしまうのは、技量を満たさない設計者をスポイルしてしまうのでは?」がありました。確かに良い質問だと思います。在宅勤務の前提は、それなりの成果を達成できる技量を獲得してからの自己裁量労働であり「年数より技量を条件にした方が良いのでは」という貴重な意見ももらいました。この辺りは議論を重ねたいと思います。

私が設計部門を預かっていた当時では夢物語とイメージしていた在宅勤務がいよいよIT環境の高度化・高機能化によって可能になってきたわけです。さらに「働き方改革」というトレンドをも味方に付けて、今こそ設計部門の改革に取り組んでもらいたいと思うのです。このような好機は何度も訪れません。

設計部門の働き方改革セミナーに来場できない、できなかった方々へ朗報です

私の「設計部門の働き方改革」セミナーは4月に京都(2018年 4月 11日<水> グランヴィア京都)、広島(2018年 4月24日<火> リーガロイヤルホテル広島)で予定されています。

また、地域や時間的に参加できない本コラムの愛読者の皆様に朗報です。
弊社プロモーション部門が頑張って、インターネット放送による本セミナー開催を企画してくれました。
皆様の机の上や、プロジェクターなどを使って社内でのグループ視聴も可能です。
ぜひ視聴をお願いして、今後の「設計部門の働き方改革」の議論へ一石を投じたいと思っています。

実践ソリューションフェア2018

谷口潤 講演 BOMセミナー
中小製造業の「働き方改革」<設計部門編> BOM構築から始める設計効率改善

【京都】2018年4月11日(水) 【A54】13:40~14:40

【広島】2018年4月24日(火) 【A41】10:00~11:00

オンラインセミナー

中小製造業の「働き方改革」<設計部門編>BOM構築から始める設計効率改善
「実践ソリューションフェア2018」アンコール開催&番外編

2018年3月20日(火) 【K03】15:30~16:45

*上記のセミナーはご好評いただき無事終了いたしました

以上

次回は4月6日(金)の更新予定です。

ご案内

このコラムに関する書籍をご案内します。

書籍

当コラムをまとめた書籍『中小企業だからこそできる BOMで会社の利益体質を改善しよう!』を日刊工業新聞社から出版しています。
BOM構築によって中小企業が強い企業に生まれ変わる具体策とコツをご提案しています。

Nikkan book Store(日刊工業新聞社)
中小企業だからこそできるBOMで会社の利益体質を改善しよう!(日刊工業新聞社Webサイト)

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部品構成表管理システム 生産革新 Bom-jin

製品原価の80%は設計段階で決定されます。「生産革新 Bom-jin」は生産管理とのデータ連携を重視し、設計技術部門の図面・技術情報などの設計資産を「品目台帳」で管理。部門内の設計ルールを統一し、標準化と流用化を実現します。また、生産管理システム「生産革新 Raijin」と連携し、生産部門との双方向連携による真の一気通貫で、コスト削減・納期短縮・生産効率の向上を実現します。

ハイブリッド型生産管理システム 生産革新 Raijin SMILE V 2nd Edition

「生産革新 Raijin」は、標準品や規格品の“繰返生産”と、個別品や特注品の“個別受注生産”との両方に対応したハイブリッド型の生産管理システムです。また、販売管理と一体化された組立業向け製販一気通貫型のシステムであるとともに、部品構成表管理システム「生産革新 Bom-jin」と連携し、設計部門との双方向連携による真の一気通貫で、コスト削減、納期短縮、生産効率の向上を実現します。

この記事の著者

株式会社大塚商会 本部SI統括部 製造SPグループ コンサルタント

谷口 潤

開発設計製造会社に入社以来、設計開発部部長、企画・営業部部長などを経て、米国設計・生産現地法人の経営、海外企業とのプロジェクト運営、新規事業開拓に携わる。その後、独・米国系通信機器関連企業の日本現地法人の代表取締役社長就任。現業に至る。

BOMの検討に役立つ資料

BOM導入をご検討されている方向けに、BOMについてを解説したハンドブックを作成しました。無料でダウンロードいただけますので、お気軽に下記バナーよりダウンロードしてご活用ください。

製造業専門サイト

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