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第27回 「型破り」と「型なし」との違いを答えられますか?
今回からは、ソリューション営業人材の育成方法についてお話ししたいと思います。
どのようにソリューション営業人材を育成すれば良いのでしょうか?
歌舞伎の世界で、こんな言葉があります。
「型のある人が型を破ることを『型破り』といい、型のない人が型を破ることを『型なし』という」
簡単に言えば、「型なし」とは基本がないもの、「型破り」とは基本をわきまえた上でそこから独自性を導き出したもの、ということになります。一見すると、どちらも自由奔放で同じように見える。しかしながら、実体は似て非なるものなのです。
落語の世界でも、立川談志さんがお弟子さんへの指導の中で下記のように仰っています。
「型ができていない者が芝居をすると型なしになる。メチャクチャだ。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる。どうだ、わかるか?」
さて、営業においても「型破り」な営業マンもいれば、「型なし」の営業マンもいらっしゃると思います。御社の営業マンはどうですか?「型破り」ですか?それとも「型なし」ですか?
時々、こんな回答があります。
「うちの会社は、自分なりのやり方を持っている『型破り』の営業マンもいれば、そういった自分なりのやり方のない『型なし』の営業マンもいます。」
この回答は、私の話が上手くご理解頂けていません。
ここで言う“型”とは、歌舞伎や落語で言われている話ですので、組織団体として、流派として保有する“流儀”のようなものです。
ですから、御社の中に、分厚い営業マニュアルのようなものは特にいらないのですが、シンプルな1枚ものくらいの仕事のやり方を具体的にまとめたマニュアルのようなものが“型”として存在しなければ、その会社の営業マン全員「型なし」になります。
私は、皆様にマニュアル型の金太郎飴の営業マンを育成することを進めているのではありません。組織として型を作ることで、逆に「型破り」の営業マンを育成して頂きたいのです。
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次回は3月17日(月)更新予定です。
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