第40回 製造業相談コーナーでの出来事 その1

弊社主催の展示会が2月より開催されております。実践ソリューションフェアと申しまして年間で最も規模が大きく、社内的にも重要視されている展示会です。東京、大阪、名古屋を皮切りに5月末までに全国主要9都市で開催されます。我が製造SPグループは東京、大阪、名古屋会場に於いて「製造業相談コーナー」という「製造業よろず相談承ります」を主旨としたコーナーを設け、歴戦を重ねた製造SPのメンバーがお客様のお困りことに対応しております。

今月はこのコーナーで承った相談事を皆さんと共有してみたいと思います。その1として東京、大阪会場で気づきを得られたトピックを紹介いたします。

「どうしたら設計部門に改革への意識を授けることができるでしょうか?」

鉄工系の製造業の総務・経理担当取締役の相談でした。事前に小生のセミナーを聴講いただき、あらためて相談に来場された様子で、それは真剣なまなざしでした。
「お答えしましょう…それではこの壺に入っている粉を設計者に振りかければ即座に…」と言いたいところでしたが、「実は、それが一番難しいのです」と前置きせざるを得ませんでした。

取締役曰く「私は技術者ではないので技術的な問題やその解決への苦労はよく理解してあげられませんが、なぜ、我が社で一番インテリジェンスが高く(きっと給料も)、重要な設計者が最も長い残業時間に耐えながら、それでも他部門から日常的に設計品質について文句を言われなければならないのか?たしかに手戻りや製造現場での不具合も頻発しており、利益は減るばかりです。従って根本的な設計部門改革が絶対に必要だと、技術を知らない私でも感じているのです」ということでした。この疑問というか問題は、多くの中小製造業の設計部門の普遍的な問題だと小生も感じています。

何処に原因があるのでしょうか?考えてみましょう。
私はこう見ています。設計者が「設計ってこんなものなんだ」と思考停止してしまっているから。前回も述べましたが、若くして入社した設計者が日常存在している設計環境に、長く漫然と漬かっていると、「それが設計というものなのだ」という理解というか、刷り込みがされてしまうのだと思います。現状否定などという「牙」は周りの設計環境にすっかり抜かれてしまい、昨日の続きは今日、今日の続きはまた明日と漫然と設計という業務を「こなす」毎日が、改革などという発想をも消し去ってしまうのです。

であるからこそ、設計部門が置かれている環境が、そこにいる設計者の設計者人生の幸、不幸を決めてしまうという現実を直視し、幸福のためには「常に自己実現を叶えられる設計環境が設計部門には必要だ」という気づきを経営層がしっかり持つことが大きな分かれ目になるのです。

自己実現という、設計者が最も大切にしなくてはならない向上心の原動力こそ、改革へのモチベーションに直結し、それらを束ねていくことでより改革の必要性が具体化していくと思います。

「我々のやっている設計って何かおかしくないか?」という現状否定からの出発です。
この悩みを投げかけてくださった取締役には…
「設計者として、もっと幸福な設計時間を過ごしたい!という自己実現への欲望を見過ごさずに、逆に駆り立て、実現のための環境をもたらす(投資する)べきだ」とお答えしました。
少しだけ納得をいただけた様子でこの相談を終わりました。皆さんはどう思いますか?

次回は4月3日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 本部SI統括部 製造SPグループ コンサルタント

谷口 潤

開発設計製造会社に入社以来、設計開発部部長、企画・営業部部長などを経て、米国設計・生産現地法人の経営、海外企業とのプロジェクト運営、新規事業開拓に携わる。その後、独・米国系通信機器関連企業の日本現地法人の代表取締役社長就任。現業に至る。

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